表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 桜桃
第一章 安倍家

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/145

挑発

 俺たちが黙っていると、襖の外から声が聞こえた。


『闇命様、琴平さん。お時間できましたので来たのですが、こちらにいますか?』


 聞こえてきたのは夏楓の声。


 そうだった。

 仕事が一段落したら合流するようお願いしていたんだ。


「あぁ、入ってくれ」


 琴平が返すと襖が開き、夏楓と紅音が部屋へ入ってくる。


 その姿は、さすが巫女というべきか、足音ひとつ立てず清楚な雰囲気をまとっていた。


「どのようなお話をなされていたのでしょうか」

「先程、少し厄介な件があってな。その話を少々」

「厄介な件とは?」


 夏楓の問いに、琴平が先ほどの話を簡潔に説明する。


 ※


「────なるほど」


 説明を聞き終えた夏楓は静かに頷き、考え込んだ。

 一方、同じ話を聞いた紅音は、当然だと言わんばかりに鼻を鳴らす。


「そんなもの、放っておけばいいだろう。今までもそのようにしてきた」


 迷いなく言い切る。


 ……まぁ、それが一番現実的なんだろうけど。


 でも、やっぱり納得できない。


 分かっているのに、知らないふりをするのは違うだろ。

 守れるかもしれないのに。


「その事について納得していない奴がいるから困っているんだ」


 琴平がさらっと言う。


 いやいや、自分は関係ないみたいに言わないでくれ。

 琴平だって納得してないじゃん。


 琴平と闇命君が揃ってこっちを見る。


 やめて。

 そんな視線向けないでくれ。


 だって放っておきたくないんだもん。

 もし、闇命君の言う通り、大きな災いが起きたら、絶対後悔する。


「納得できない気持ちは分からなくもない。だが、どうするつもりだ? 依頼されなければ内容自体、ワタシたちには届かない。それだけではなく、ワタシたちも別の依頼を任される可能性がある」

「そうですね。せめて受付が聞いている内容を共有できれば、まだ手はあるかもしれませんが、今の不明瞭な段階では動けないかと」


 内容の共有。

 受付が聞いた話を詳しく知れれば、まだ可能性はあるのか。


「なら、闇命君がその依代で依頼人の内容を──」

『なんで僕がそんなことしないといけないの? 僕はその女がどうなろうと知ったことじゃない。それに、それは君がやりたいんでしょ。他人を巻き込むのはお門違いなんじゃないの』


 ……やっぱり倍で返ってくるよね。

 そんな気はしてた。


 闇命君にも迷いはない。

 今までもこうしてきたんだろう。


 やっぱり無理なのか。


 ……いや。


 駄目だ。

 諦めたらそこで終わる。


「お願い、闇命君。今は君に頼るしか──」

『どんなにお願いされても面倒だし嫌だよ。それに、その災いだって大したことないかもしれないしね。やるだけ無駄』


 ぐぅ……子供のくせに手強い。


 子供。


 ……あ。


「────そっか。天才陰陽師である闇命君の勘でも、そこまでは分からないのか。まぁそうだよね。なんだかんだ言っても子供だし、できないことがあるのは仕方ないよね」

『────なんだって?』


 食いついた。


「だから、闇命君の直感でも分からないことはあるんだなって。それに、天才なのに依頼人一人救えないんだなって思ってさ」

「貴様、なにをっ──」


 紅音が身を乗り出すが、琴平が止める。

 夏楓も人差し指を口元に当てて宥めていた。


 ……不機嫌そうな顔してる。

 ごめん、紅音。


『そんな挑発に乗ると思う? あんたの考えることなんて分かりきってる』

「挑発じゃなくて事実だろ? 最初は“大きな災いが起きる”って言ってたのに、今は“大したことない”って言う。それって自分の勘を信じてないってことだよね。結局、勘なんだから外れるのが怖いんだろ? 俺たちと一緒じゃないか」


 言い切ると、闇命君の額に青筋が浮かんだ。


『僕が、君みたいな凡人と一緒だって? ふざけるなよ!! 大体、あんたの方こそただの凡人じゃないか!! 今は僕の体だから動けてるだけで、本来そんなものじゃないって分かってるくせに!!!』


 ……うっ。

 心に刺さる。


「…………ゴホン。えっと、それでもやりたくないんでしょ? 勘が外れた時、恥ずかしいから? 怖いから?」

『そんなわけないだろ!! くだらない!!』

「そっかそっか。外れたら恥ずかしいんだ。まぁ仕方ないよね。どうせ子供だし。そういう気持ちがあるのは当たり前だよね、子供だし」


 “子供”を強調して言う。

 すると闇命君の顔がみるみる赤くなり、その場で勢いよく立ち上がった。


『わかったよ!! そこまで言うならやってあげる!! でもこれは挑発に乗ったわけじゃないから!! 勘違いすんなよ凡人!!!』


 ……よし、成功。

 でもなんだろう。


 目が霞む。


 花粉かな。


 ……虚しい。


 凡人って、事実だからこそ辛い。


『今回の件は色々面倒だよ。でも、動いたら途中でやめられない。せいぜい挫折しないように気をつけるんだね』

「そう言われると怖いけど、頑張るよ。助けたいし」


 女性を助けられるなら、何だってやる。


 人が死ぬところなんて、もう見たくない。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ