表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/142

「先生の……妻にしてくれませんか⁉︎」



「……取れた」



私は今、コンクールの絵が展示されている公民館にいた。このコンクールの結果発表の方針は、展示された自分の絵の下に結果が張り出されるようになっていた



結論から言うと、私はまた最優秀賞を頂くことができた



先生の「最優秀賞取ったらご褒美をやる」宣言後、私の筆のノリが明らかに変わった。得るものが大きいからか、アドレナリンがドバドバと出ていたのだろう。自分の作品の中でもナンバー1の出来栄えだった



「おー本当に取るとはな〜」


「……信じてなかったんですか?」


「まあな」


「甘く見ましたね。そんな軽い気持ちで言うこと聞くなんて言ったことを後悔するがいいです」


「……うそうそ。ちゃんと取れるって信じてたさ」



先生自身も少し嬉しそうな様子だった。この顔を見れただけでも、私は頑張った甲斐があった



「とりあえず一回学校に戻るか」


「そうですね」



私は先生の車に乗り込み、公民館を後にした



学校に着き、私は美術部の隣にある部屋。美術用の道具などたくさん置かれている部屋に入った



「さて、改めておめでとう」


「ありがとうございます」


「ほらっ。俺からのお祝いケーキだ」



なぜか置かれてある冷蔵庫からケーキを出し、私の前に置いた



「いつの間に買ってたんですか?」


「昨日だよ。このケーキが俺はお前が最優秀賞を受賞すると信じていた証拠になるな」


「とか言って、もし取れてなかったら出さずに自分で食べるつもりだったでしょ?」


「そ、そんなことはないぞー?」



明らかに目が泳いでる。まあ用意してくれただけでも嬉しいからあまり追求はしないでおこう



「……いただきます」



種類はショートケーキ。無難だが、私が1番好きなケーキだ



まずは上に置かれた苺を一口



「甘くて美味しい……」


「苺は美味いよなー」



と、私はケーキを食べ進める手がピタッと止まった



「……まさかケーキ食べたからお願い聞くの無しになったりしてませんよね?」


「それはないから安心してくれ」


「良かった……先生ならしかねませんからね」


「お前は俺をどう見てるんだよ……」



誤解も晴れたので、私はケーキを口に運んだ



♢ ♢ ♢



「ご馳走様でした」



ケーキを平らげ、膨れたお腹を少しさすった



「水いるか?」


「お願いします」



先生は紙コップにミネラルウォーターを注いでくれた



「……さて、そろそろ聞かせてもらおうかなー。お前は俺に何をお願いするんだ?」



……ついにきた。私の願いを言う時が



車に乗っている時からずっと心臓がバクバクしていた。顔には出していないけど、呼吸も早くなっていたと思う



「あ、あ、あ……」


「ん?なんでそんな挙動不振になるんだ?」



テンパってる……でも今回のチャンスのうちに言わないと……



言え!言うんだ!お願い……私……今だけは素直になって……私のお願いを聞いてもらう為にもっ……!



動いて……‼︎私の口っ‼︎



「わ、わ……私をっ‼︎」


「お、おう」


「先生の……妻にしてくれませんか⁉︎」



言えたっ‼︎ナイス私の口‼︎



だが、先生の顔はいつも通りのままだった



「卯月でも冗談を言うんだな」



私の一世一代の告白を冗談だと思っているらしい



「ち、違っ……」


「こんなオッサンに嘘の告白なんてしたら、勘違いするから辞めとけよ?」


「う、嘘じゃない……です」



気まずい空気が流れた……お互いが言葉を発さず、聞こえるのは運動部達の声だけだ



「……本気で言ってるのか?」



先生の顔つきがいつもとは違う真剣な様子だった



「……本気です。本気じゃなかったら、何か一つだけお願いを叶えてもらえる機会に言いません」


「……そうか」



またしばらく静寂の時が流れる。そして……



「……でもダメだ」


「……えっ?」


「俺達は教師と生徒。恋愛関係になってはいけない。分かるか?」



……先生はそう言うのではないかと思っていた。だけど、私も考え無しで言ったわけじゃない



「なら、私が卒業したら構わないでしょ?生徒と教師の関係が終わるまで……私は待ちます」



先生の言う、生徒と教師だからダメ理論は、私の理論であれば解消される



「……なんで俺なんか。もっと同級生に良い男がいるだろうに」


「いませんよ。ていうより、この世界に先生より良い男なんて……私にはいません」



……あ、先生の顔が赤くなってる



いつも平然としてる先生が……照れてるんだ



「はぁ……お前に好かれることをした覚えはないけど」


「私には、先生の一挙手一投足が、好きになる理由でしたよ」



さらに先生は顔を赤らめ、そして大きくため息をついた



「……卯月が卒業して、そっから付き合ってみてから決めよう」


「……はい‼︎」



私にとって今までで1番……幸せな日となった



「まあ付き合っていけば、俺のこと嫌いになるかもしれないしな」



でも……まだまだ先の話だけど



「なりませんよ。さっきも言いましたけど」



毎日が今日よりもっともっと



「私は()()の全てが好きなんですから」



幸せな日が訪れると私は信じてる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ