街道の足狩り爺さん
皇国郊外の農道を歩く。
村人Aたちがせっせと自身の農地を耕している。
汗を拭きながら腰を伸ばすおっさんたちを見ながら、僕らは農道をゆっくりと歩いていた。
そろそろ8話目の戦闘が入ると思うんだけど……もう皇国着いちゃうぞ?
「そう言えば。私、皇国に居る時に噂を聞いたことがあります」
唐突に、パルマがそんな事を呟いた。
足を止めて僕らはパルマの話に耳を向ける。
「皇国には未だに掴まっていない凶悪犯罪者が居るそうです。名前を足狩り爺さんオーライ。お爺さんとしか分かっていなくて……」
ごめん、そいつ仲間にいるよパルマ。
なんかレゴウみたいに危なそうだったからストックに入ったままなんだけど。
そうそう、確かああいう容姿の……って、いるーーーーッ!?
農道の先からやってきている爺さんがどう見ても足狩りオーライさんである。これ、普通に闘う感じじゃね?
しかし、おじいさんは柔和な顔を見せてこんにちわ。と気さくに挨拶してくる。
僕は皆に警戒するように告げながら挨拶をしておく。
どうやら今回闘う訳ではないらしい。
ちょっと危険な気はするし、何かしらのイベントで関わってくるのは確定しているようなモノだが今回は関係ないらしい。顔合わせだけのようだ。
ということは8話めの闘いは……
「ちょ、なんか周囲から黒ずくめの奴来てるわよ!?」
と、いうことらしい。
はいはい、こいつ等が敵なんですね。
あ、今回の戦闘、NPCがサボ固定だ。
サボをNPCにしてリーハ、ケンウッド、アニキ、サクヤ、ナルタで戦闘開始。
もはや指示出しの必要すらないので完全な放置状態。
アサシンさんたちは放置しといても皆が勝手に撃破してくれていた。
そして戦闘終了早々に次話をタップする。
するとなぜか夜へと時間帯が転移して、ホゥホゥと遠くから梟の声が聞こえてくる。
周囲に居た村人Aたちが慌てて家へと戻って行った。
そして、オーライさんが必死に走って皇国へと向かう。しばし走って僕らを追い抜いた後。なぜが振り返ってゆっくり歩きだして来た。
「ほっほ、また会いましたなぁ」
あ、これはこいつと対決する感じだな。
全員警戒。っつか魔王様、サシャ×2、あとケンウッドとセルジュが出たいというので二人を戦闘に向かわせる。NPCはサボにしておいた。
「足だっ、足をくれぇ!!」
唐突に襲いかかって来たオーライ。
当然警戒していた僕らは普通に戦闘態勢。
そして高レベルたちの戦闘は相手に攻撃の機会ばかりか仲間に攻撃の機会すら与えぬ魔王陛下の開幕必殺の一撃により終戦した。
魔王様の高笑いだけが静寂の夜に響き渡る。
うわー、なんかもう戦闘に面白みは感じられませんわー。
というか、オーライの奴生き残ってる!?
ということはこのまま10話突入か。
なるほど、皇国に入る前に10話まで終わらせて第5章から皇国での闘いになる訳か。
オーライが本気を出した。
戦闘メンバーは変わらず。
戦闘順番も変わらず。
つまり、本気出したからって開幕必殺の魔王様からは逃げられない。
「クハハハハハハハ!! 塵芥どもよ天を見上げ絶望せよ! 我が名はグレヴィウスリーハ! 貴様等を悉く撃ち滅ぼす者である。星屑達乃虐殺!!」
たった一人の御老人に無慈悲なる連撃が襲いかかる。
炎の連弾が空より降り注ぎ、御老体をこれでもかと穿ち焼き払い、滅ぼしつくす。
うん、過剰戦力だ。折角ボスになった御蔭でHPバーがかなり多くなってるのに一気に半分近く消し去られてるし、さらに魔王の一撃が終わったら次はサシャ二人による連続攻撃。
大ダメージを受けたオーライオリジナルに、セルジュの抜き手、さらに若きケンウッドの天下唯一。
たった一度の拳打が叩き込まれ、ダメージが連続して出現。イリス曰く、今回は76連撃らしい。
そして最後にサボの攻撃……があるはずもなく第4章のボスは粉砕されてしまった。
76連9000ダメージは無理だって、魔王だって生き残れないよケンウッド。
まさにチート存在と化したケンウッドにより、オーライはその実力を発揮することすらできず一瞬にして粉砕されてしまったのである。
神様。ケンウッドの若いバージョン仲間にした状態でこいつと闘ったら即殺させちゃうよ、ボスなのに。
さすがにこれは哀し過ぎるので難易度上げといた方が良いと思うよ。
というかケンウッド戦闘参加させないようにしないと即死すると思うよ?
本来どれだけ強い存在だったのかも分からないし。結局突っかかって来たお爺さんとしか理解できなかったよ。
レゴウよりも弱い気すらしてきた。
第4章だし強いはずなんだけどね。
とりあえず、フラグの足狩り爺さんは撃破したし、第5章から皇国に入れる訳だ。入っちゃっていいんだよね神様? 危険なバグとか、ないよね?




