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3/11

噂の二宮君

そのあとも、生徒たちが次々と教室に入ってきた。

少し遅れて、一人の女子が入ってきた。

――白石美奈だった。


教室の何人かが顔を上げた。

姿勢がよく、動きに迷いがない。

「あっ、白石さん!」

一人の女子が軽く手を挙げた。

美奈は笑って応え、黒板横の座席表を確認した。

二宮は、その様子を息を呑んで見ていた。


美奈は教室の中央へ歩き、二宮の隣で足を止めた。

「ここ、かな」

美奈は二宮の隣に座った。


「美奈、よろしく」

「白石さんと同じクラスになれるの、嬉しい」

女子たちの声が重なる。

美奈は軽く笑って返した

ふと、隣の二宮に目をやる。

「よろしく。えーと、二宮君、だよね。噂の」

二宮は、美奈をじっと見つめたままだった。


美奈は首を傾げる。

「あの。二宮君、だよね。何度か廊下で見かけた気がするけど」

二宮は、我に返ったように口を開いた。

「これは、失礼しました。いえ。噂の二宮君と言われては、僕の立場がありません。噂の白石さんの隣という奇跡から目を背けておりました。僕が噂の二宮です。僕は――」

美奈は、クスリと笑った。

「聞いてた通り、変わってる」

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