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あなた一人ではないので、安心して下さい!
教室の中は、まだ静かだった。
数名の女子が、机を寄せて小声で話している。
他の生徒たちは、窓の外を見たり、スマートフォンの画面を眺めたりしていた。
そこへ、二宮が入ってきた。
入口付近の生徒に声をかける。
「あの、誠に恐縮ですが、僕の席はどこでしょう?」
生徒は顔を上げた。
――少しの間
「……黒板の横に座席表、貼ってるけど」
「どうも、失礼しました!」
二宮は深く頷き、座席表へ向かった。
「うーん、どこかな。分かりにくいな……僕の名前が見当たらない……」
座席表を見つめた。
近くの生徒に声をかける。
「あの、失礼ですが、僕の席はどこでしょうか?」
近くの生徒が座席表を確認し、教室の中央を指さした。
「あそこ。真ん中の席。女子たちが集まってるところ」
「どうも、誠にありがとうございます!」
二宮は教室の中央へ進んだ。
そこには、女子が一人座って話していた。
「そこ、二宮君の席じゃない?」
近くの女子が声をかけた。
座っていた女子は、すっと立ち上がる。
「ごめん、勝手に座ってて」
二宮はまっすぐその女子を見た。
「いえ。誰でも間違いはあります。あなた一人ではないので、安心して下さい」
二宮は真剣だった。
女子たちは一瞬、顔を見合わせた。
誰も、何と返せばいいのか分からなかった。




