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『真・八犬伝 〜転生して再び伏姫と恋人になった俺、時を超えて現れた最強の親友と妖怪軍団から彼女を奪い返す〜』  作者: 凡太M太郎


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第9話:荘助の思いと志貴の記憶

「まあ、いいや協力はするよ」

レンがそう言ったら

荘助が目を見開きながら茶菓子に手を伸ばしていたのも止めて飛び上がった。

「毛野!!お主も八犬士としての宿命を思い出し、協力してくれると言うのだな!!かたじけない感謝致す!」


「分かったから、但し俺は前世では毛野だったかもしれないけど、今はレンだ!次に毛野なんて呼んだら絶対に協力しないからね、いいね?」

レンが念を押してきたのを、分かったのか分かってないのか荘助は食い気味にくる。


「承知した!レンだな、とにかく宜しく頼もう。では、八犬士として妖怪が現れたら直感で分かるはずであるから駆けつけてくれ。」

そう言うと荘助は姫菜に目をやる

「姫菜殿、拙者の目は間違えておらなんだ、こちらのレンは毛野の生まれ変わりでありましたぞ。」

自分に話題を振られると姫菜も頷き。

「私も、記憶を取り戻して来てるって言っても顔だけじゃ分からなかったよ、けど近くに来たら分かったよ〜」

といつもの姫菜の口調だが、確実に昨日までの姫菜とはどこか違うようだった…


「それはそうともう時間も遅いし、帰ろうぜ俺達は明日も学校だろ?なあ、姫菜」

俺は自分だけが置いていかれてるような感覚に陥ってしまい、帰ることを提案した。

「そうだね、君たちの格好を見るに、まだ学生だろう?とりあえず自分が何者かを知るためにも妖怪退治は協力するから今日はもう帰った方がいい。」

この犬坂レンというアイドルだが、どうもこんな奇妙な状況でもしっかり常識人なようだ。

「そうだね〜かえろっか!」

姫菜も言ってくれたので俺たち3人は帰路についた。


「それじゃまた明日〜」

姫菜は隣の家に帰っていく、俺たちは幼なじみであり、家が隣同士で昔から仲も良く今ではカップルなのだが、姫菜は前世の記憶とやらも思い出し俺はどうも孤独感に苛まれていた。


「荘助!教えてくれ!俺は誰なんだ!前世って?八犬士てのはただの物語じゃないのかよ!」

居てもたっても居られなくて俺は家に入りくつろごうとしている荘助に全ての疑問をぶつけた。

「い…いきなりなんじゃ?…そ…その事ならば。」

荘助が驚いたように言うが覚悟を決めたようだった。


「志貴よ、、何処から説明いたそうか。長くなるが拙者の知っておることは全て話そう。」


「ああ、頼むよ。」


荘助は重そうな口を開け、説明してくれた。

500年前に俺は犬塚信乃として、八犬士の中心人物であったこと、姫菜は伏姫だった事、俺たちはその時代でも恋人同士で荘助とは義兄弟の契りを交わしていた事。


「そ、そんな…そんなだってなのに姫菜もさっきのアイドルのレンも全て思い出してるのに俺が思い出せないなんて変じゃないか!なあ何かの間違いだろ?」


「間違いではござらぬ、拙者の珠が昨日輝いたのを見たであろう?それが何よりもの証拠じゃ志貴よお主も思い出せぬだけであるが間違いなく仁の珠を持つ犬塚信乃…拙者の兄弟の生まれ変わりじゃ。」


余りにも信じ難い事だが、この数日の出来事はそれを信じるには余りにも十分だった…


「だからって、俺が何も思い出してないのに八犬士として戦えないだろ!」


「志貴!!」

荘助が急に声を荒らげた。


「な、なんだよ?」


「お主そんな情けない事を言うでない!何より信乃としてのお前は無念とはなったが、伏姫様を何より慕っていたではないか!故に拙者は身を引きお主たちを守ろうとしたのではないか!何よりそのような心持ちで姫菜殿にも申し訳ないと思わぬのか?」


「お前、姫菜の事を…」


「ああ、伏姫様を慕っておった。」


「わ、悪いそんな奴の前で言う事じゃなかったな。」


「いや、いいのじゃ拙者こそ、いきなり記憶も無きものに対して唐突であったからな。ゆっくりとでもいい記憶を取り戻せばいいのだからな。」

そう言って荘助は落ち着きを取り戻した様子だった。


「取り戻せったってどうやって?」


「うーむ拙者にもこれといった手立てがある訳では無いのだが、探していこう。」


どうやら荘助も手立てがあるようでは無かったようだが、俺は取り戻さなければ行けない気がした。


「まあ、いいや今日はレンが八犬士の記憶も取り戻したし、明日もまた新たな八犬士を探すとして飯にしよう。」


そう言って俺はまたカップ焼きそばを用意する。

俺の家は両親が海外に赴任していて家に滅多に居らず一人暮らしのようになっていて、当然料理なんかするわけもなくカップ麺と冷凍食品暮らしなのだ。

姫菜がたまに押しかけてなにか料理を作ってくれる事もあるが毎日だと申し訳ないし気が引ける。

まあ、お陰でこんな侍を家に住ませられるんだけどさ。

案の定荘助は昨日のように物凄い勢いで食べている、そんなに美味いのか?


兎も角これからは八犬士を続けながら俺の記憶を取り戻さないと行けないらしい、俺はどこか他人事のような恐怖のような感覚で実感が湧かぬまま頭で分かった振りをする。


この先に待ち受ける八犬士と姫菜の運命もまだ知らぬままに…



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