第8話:パーティメンバー
本日は2話投稿です。
これは2話目なのでお気を付けください。
その後、土曜日の講習を終え、日曜日にも講習を行った。
日曜日のやつは精度や権利、確定申告についてなどダンジョンに潜るうえでの社会的な面について一日中集中して行ったので、終わった時はほとんどの人が疲労困憊と言った様子だった。
私も正直今まで関わったことのない領域だったのでかなり精神的に消耗した。しかも、昨日魔力を操作できなかった人はこのあと追加講習らしい。
心底、昨日できて良かったと思った瞬間だった。
また、これが終わったからと言ってすぐに冒険者になれるわけではない。今後はこの地域の冒険者ギルドが監理している訓練用ダンジョン…最低級のユンしかいないために初心者の訓練用としてあえて残された監理ダンジョンに3回潜る必要がある。
そして、そこで問題になるのがパーティメンバーである。
「……どうしよう。」
私は一人、冒険者ギルド併設のカフェでテーブルに顔を伏せて悩んでいた。
今からでも同年代の人に話し掛けてパーティを作るべきだろうか。それとも当日に余った人たちで野良パーティを造った方が楽だろうか。でも、私の特異性もあるし、そうでなくても変な人に絡まれても屋だな。
などとぐるぐる考えていると、後ろから声をかけられた。
「ねぇ、今大丈夫かしら。」
言われて振り向くと、そこにはつんとした表情の小柄な少女と、いかにも元気そうな少年が立っていた。
「どうしましたか?」
そう聞くと、小柄な少女の方が答える。男子の方は先ほどの講習で疲れ切っているらしい。ぐったりしていてゾンビの用だ。
「同席しても大丈夫?」
「別にいいですけど。」
特に断る理由もなかったので了承する。二人は席に座るとすぐに店員に軽食を注文した。
そして、数分、無言の時間が流れていく。その間、私は妙な既視感を感じていた。
この二人、昨日見た気がする。しかもちょっと印象強めに。
私は普段、あまり人の顔を覚えられないので、それほど強く印象に残っていたことになる。
どこでだろうかと考えていると、少年の方が語り掛けてきた。
「ねぇ、君。昨日の魔法の訓練の時属性纏いしてたよね。」
そう聞かれて、反射的に警戒心が湧き上がる。珍しがって仲間にしようとしている?それとも強いと勘違いされて無リに仲間に誘ってくる?どちらに白面倒だ。
私がすぐにでも立ち上がろうとしているのが分かったのか、少年は慌てて声をかける。
「いや、その、だ、大丈夫だ。」
「それじゃわからないでしょおバカ!」
そう言って少女の方が少年の頭を叩いた。スパンッという割といい音がして、少年が頭を抑えてうずくまる。
私はその光景にあっけに取られて立ち上がるタイミングを見失ってしまった。
「ごめんなさい。このバカが。えっとまず自己紹介するわね。」
「私は白雪澪。で、こいつは火野恒一。」
「えっと…。私は清水晶です。」
とりあえず自己紹介されたので自己紹介で返す。何なんだろうか、この二人は。
「で、昨日属性纏いをした二人よ。近くにいたでしょ、あなた。」
「あ、そうだ。」
そう言われて思い出した。あの時、木の棒を炎上させてた少年と氷づかせていた少女の二人だ。だから覚えてたのかと一人納得していると、白雪さんが話を続ける。
「じゃあ、とりあえず清水さん。私たちとパーティ組まない?」
「えっと、理由をうかがっても?」
「当然。まず、私たち全員が属性纏いを使える。これはいいわね。」
私はうなずく。今更この二人に隠すことはできないだろうし、バレたからと言って困るかと聞かれるとそうでもなさそうだ。
「で、まあ属性纏いって一応口頭スキルらしくって、めっちゃ注目されてたのよ。私とこいつは。」
「え?私そこまで注目されてなかったような…。」
「そりゃ、あなたのやつ、目立ちにくいし。でもバレてる人にはバレてたから、次のダンジョンでの訓練じゃ引っ張りだこかもね。」
「うへー。」
つい、そんな声が漏れてしまう。正直、人付き合いはそこまで好きじゃない。そんな私なので、出来ればそういうことは避けたかった。
「でよ。このままだと私たちの方にも面倒なのが来そうなのよ。」
なんとなく話が分かってきた。
「ということは、この3人でパーティ組んで、面倒ごとを避けようと。」
「そう言うことね。確か今回は3人固定でしょう?」
「そう言われましたね。」
なるほど、それなら私に断る理由はない。少ししかしゃべっていないが、この二人なら正確は悪くなさそうだし、トラブルも起こさないだろう。
「分かりました。よろしくお願いします。」
私が頭を下げると、火野がようやく復活したらしい。
「おう。よろしく。」
「えぇ。よろしく頼むわ。」
これによって、初めてのダンジョンの同業者は決まった。
なかなか楽しいダンジョン探索になりそうだと私は内心で思った。
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