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クリスタル・ウェポンズ~心臓が結晶化した私は助かるために現代ダンジョンに潜る~  作者: 彩名氏シエル


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第6話:冒険者講習

会議室1に着いてから約15分。午前10時になり、冒険者になるための講習が始まった。

やはり前方でにらみを利かせていた赤いジャージの男性が講師らしい。ホワイトボードの前に立って、いかつい声で自己紹介をしてくれた。

「俺は自衛隊所属の赤井だ。今回の講習を担当させてもらうぞ。」

そういうと、ホワイトボードをひっくり返す。そこには今日のスケジュールが書かれていた。

「事前にメールが行っていると思うが、今日のスケジュールは12時まで座学を行い、午後は実際に魔力を使った訓練をしてもらう。」

そう言いながら指揮棒で一つ一つ名前を指していく。私は、メールのコピーを見ながら、ノートパソコンに補足内容を書き込んでいった。

「さて、まず君たちが潜るダンジョンについてだ。」

そう言うと、再びホワイトボードをひっくり返して白い面を出すと、そこにプロジェクターで内容を投影する。

「ダンジョンとは3年前の発光現象…神話回帰と呼ばれる現象の直後から見つかるようになった、建造物のことだ。

基本は洞窟や竪穴と言った物が発生して、その先は異空間になっている構造をしていることが多い。」

一人の少年が手を上げた。赤井さんは顎をしゃくって質問を促す。

「洞窟や竪穴以外に何かあるんですか?あんまり聞いたことないんですが。」

「まぁ、基本多く発生するのはその2パターンだから、知らないのも無理はない。と言っても、それ以外が少なすぎるため、ここでは話さない。」

そういって赤井さんは話を続ける。

「そして、その異空間にはユーンと呼ばれる人を積極的に害するモンスターが住み着いている。」

多くの人がうなずき、一部の人はメモに取っている。私もパソコンにメモを取りながらユーンについて思い出していく。

ユーン、アルファベット表記ならUNE、[Unnatural enemy]、つまりは非自然的な生命体という名前を付けられた存在たちは、ライトノベルに出てくるモンスターのイメージそのままだ。

「で、それ以外には宝箱もあればボス部屋もある。まあ、本当に古式ゆかしきダンジョンと言った様子だ。もちろん例外はあるが。」

赤井さんはそう続ける。その顔は苦々しいもので、彼がそれなりにダンジョンで苦労させられたのがうかがえた。

「そして、このダンジョンだが、基本は最奥のコアと呼ばれる物をダンジョンから出す、あるいは破壊することによってその異空間を消滅させることができる。

そして、基本的に冒険者の仕事は大きく二つに分かれる。」

そう言うとホワイトボードに二つの項目が大きく表示された。

「一つは野良ダンジョンと呼ばれる発生したダンジョンの間引きだ。内部のモンスターを駆除し、その素材とコアを持ち帰ることが主な目的である。」

そう言うと野良ダンジョンの間引きという項目がピックアップされ、再び同じ大きさに戻る。

「次が監理ダンジョンと呼ばれる国が認め、ギルドで監理しているダンジョンからモンスターの素材を持って帰ることだ。

ちなみに言えば、監理ダンジョンには素材が有用なため残されている物と、階層が深すぎて排除しきれていない物の2種類が存在するぞ。」

そう言うと、その後に平均的な収入などについて話していく。それはとても分かりやすく、彼がこのような話をするのに慣れているんだろうな、お疲れ様ですと晶は思った。

「ーーーそして野良ダンジョンのコアはこのようなものだ。」

そう言って、スクリーンに映し出されたのは何か洞窟のような場所が映っていて、その写真の中心に赤い宝石が映っている。

参加者たちはザワザワとざわめく。さすがにコアを見たことのある人はほとんどいなかったらしい。

「で、つい最近、半年ほど前だったな。とある国でコアを使った発電装置が開発された。だから今、このコアはかなり高騰している。」

そういうとさっきよりも大きなざわめきが起こった。どうやら皆お金に興味津々らしい。いやまあ私もだけど。ちらっと別タブで調べたら、売却価格は最低ランクの物でも50万はくだらないらしい。

「しかし、注意してほしい。」

赤井さんが低い声で、脅すように告げる。

「前提として、ダンジョンは命の保証はない。人は簡単に死ぬ。」

そう言って次のプロジェクターの画像が映る。そこには冒険者の月別の死亡者数が書かれていた。

月平均100人。

それを見て室内が静まり返る。

「このように本当にダンジョンで命を落とす人は多い。特に冒険者になったばかりの新人の死亡率はこの100人のうちの8割だ。」

そう言って、平均的な冒険者の志望理由が列挙され始めた。

「基本的には初心者が自分の身の丈に合わない野良ダンジョンに入って死ぬことがほとんどだ。ちゃんと適性に合わせ、身の丈に合ったダンジョンに、油断せずに挑めばひどくても命を落とすことはない。後はまあ、運が悪い場合はどうしようもない。あきらめるか最後まであがいてほしい。」

冗談めかして言っていたが、誰も笑うものはいなかった。

私も笑えなかった。今、その『運の悪い』自称に遭遇しているのだから。

そんな固まった空気の中でも説明は続き、それが終わった直後に12時のチャイムが鳴った。

「さて、今日の座学はここまで。1時間休憩の後、今度は魔力についての講習を行う。

1時に地下の運動場に集合してくれ。」


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