表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心臓が水晶になった私、助かるために現代ダンジョンを攻略することになりました  作者: 彩名氏シエル
第2章「シーリー・コート」編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
50/66

第21話:移動中

※以前投稿していた1章のプロローグ(エピソード1)を差し替えました。

良かったら目を通していただけるとうれしいです。

私たちは一通りの話を聞き終えると、シーリー・コートが用意した黒塗りの車に乗り込んだ。

もちろん荷物も持ち込んでいる。ただ、私が持ってきたのが小さなナップザック一つだけだったのが気になったのか、恒一が聞いてきた。

「おい、晶。なんかお前荷物少なくね?」

「確かに、前かなりごついリュック背負ってたわよね?」

そう聞かれて、私はシートベルトを閉めながら答える。

「あぁ、訓練の結果で身についた新しい魔法の効果よ。ほら。」

そう言って、二人に鞄の口を開いて見せる。しかし、二人は怪訝な表情を浮かべた。

「なんか、真っ暗で何も見えないんだが。」

「でも、なんか魔力感じるわね。」

「そりゃそうですよ。これ、いわゆるマジックバッグ……外見以上に荷物の入る魔法の鞄だもの。」

「は?」「え?」

二人は驚いた表情で目を見開いている。そして、私はそのマジックバッグを少し前に押し出した。

「ほら、手を突っ込んでみて。」

「え?おおう。うわ、なんだこれ気持ち悪っ。」

「気持ち悪いって……。うわ、ほんとだ気持ち悪い。」

二人はどこか楽しそうにマジックバッグに手を突っ込んでは抜き出しすのを繰り返している。……なんとなく現状を忘れたいという気持ちを感じなくはないが。

このマジックバッグは、私とサブマスターの合作であり、空間魔法について語り合った結果生まれた物だ。

今までサブマスターだけが使えた空間魔法。彼女いわく「燃費の悪さがひどい。」とのことだったので、全部自分でやるのではなく、道具を噛ませることで効率化できるのではないかと考えた。

そうして、あれこれ試した結果、なんか荷物入れという概念を使って内部空間を拡張するイメージで鞄に魔力を付与したらこんなものができてしまった。しかも重量無視というおまけ付きで。

ちなみに目的としていたが、実際にできるとは思っておらず、二人そろって間抜け面をさらしていたのは秘密だ。

それはともかく。これは、それを色々改良して、内側に魔力バッテリー代わりの水晶玉を入れたり、体に密着させないと使えないという制限を加えることで実用化させたマジックバッグの1号なのである。

「ってことは、荷物は全部この中に入ってるのか。」

「そうよ。ついでにまだまだスペースあるからドロップアイテムも入れられるわ。」

「そりゃ助かる。」

そう言っている間に、運転手が乗り込み、車は出発した。

「さて。」

ある程度車が進み、あとちょっとで高速道路に乗るというところで私は二人に声をかけた。

「一応、移動中に互いの訓練結果を話し合っておきましょう。その方が連携もスムーズだと思うし。」

「お、おう。」

「分かったわ。」

二人は緊張した表情で答える。私は椅子を回して二人と向き合う。

「先に私が話すわね。まぁ、さっきも言ったけど、空間魔法っていう特別な魔法について訓練してたわ。」

「その……空間魔法って聞いたことがないのだけれど。」

「そりゃそうよ。これ社外秘かつ超希少な才能だし。」

「つまり、私たちには使えない?」

「可能性はゼロじゃないけど……まぁ10年は無理だと思う。」

「うわー。」

ドン引きしたようにのけぞる澪。最近なんかドン引きされてばかりな気がする。

「それはともかく。その訓練で空間魔法を使えるようになったのと、副次的な効果で他の魔法も色々強化できたわね。」

「具体的には?」

「うーん、即席爆弾とそれなりの広さの索敵魔法が使えるようになったわ。あとはまぁ、時間ないし今度話すわ。」

「いや、言えよ。結構大切だろ!?いや、その二つも十分やばいんだけどさ。」

「大技過ぎてボス戦でもない限り使えないのよ。今回はあくまで素材採取だし。」

「あぁ、それなら、いいのか?」

「いいのいいの。じゃあ、次脳筋バカ自爆野郎。」

「おい、なんだその言い方。あと最後の自爆野郎はやめてくれ。」

「……。」

げんなりとした表情の恒一と違い、隣りに座ってずっと密着していた澪は顔を赤くしている。あの時のことを思い出して照れているらしい。

「あぁ、わかったわかった。俺は人目もはばからずに告白したアホウですよ。

それはともかく!俺の訓練か……。ひたすらぶつかり稽古してたな。属性纏いの使い方をひたすら体に叩き込む感じ。」

「うん、打倒。」

「打倒ね。」

「お前らひどくね!?」

めそめそと顔を腕で覆う恒一を無視して澪に顔を向ける。彼女は気まずそうに視線をそらした。

「私は……今思うとずっとメンタルカウンセリング受けてた感じね。自分のこと聞いてもらって、恋愛相談して。

ただ、それと同時にひたすら瞑想してたわね。魔力の操作精度は訓練前よりだいぶ上がっているはずよ。魔法のレパートリーはそこまでだけど。」

「なるほど。まぁ、私以外は順当に強化できたって感じですね。

なら、まぁそこまで大きく動きは変えなくても大丈夫ですかね。後は私が色々調節します。」

そうまとめて、私は椅子を元に戻した。

そして、目を瞑って極力力を抜く。いきなり初見のダンジョンに入るのだ。できるだけ体力を残しておきたい。

車が揺れて、足元に置いたマジックバッグがつま先に当たる。

この中には今日ダンジョンで試そうと思っていた二つの新しい武器が入っている。しかし、この調子だとそれは後日に回した方がよさそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ