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クリスタル・ウェポンズ~心臓が結晶化した私は助かるために現代ダンジョンに潜る~  作者: 彩名氏シエル
第1章 『水晶製魔機構の心臓』編

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第15話:魔法講習初級編 ー 前編 ー

「ぎぎゃー!?」

飛びかかってきた毛深い二足歩行の犬に対して表面をやすりのようにした警棒を振り下ろして叩き落す。

「げぎゃー!?」

隣りでは火だるまになった犬が転げまわり、その足に矢が突き刺さっている。

私はそれを横目に二足歩行の犬……コボルトと呼ばれているユーンの頭を動けないように踏みつけた上で、左手の盾のエッジ部分を首にたたきつけて討伐した。

「いやー、稼いだ、稼いだ。」

野良ダンジョンを崩壊させ、ギルドで報告した帰り道、火野さんがほくほく顔でつぶやく。わたしと白雪さんはそれに同意するようにつぶやく。

「命の危険とつりあってるかはともかく、破格の収入なのは確かね。」

白雪さんもスマートフォンで今回の収入を見ながら言う。先ほど私も確認したが、今日は一人当たり9万8000円だった。ちなみに所要時間は3時間強で、1時間当たり3万ちょっとである。

「今回で何回目だったかしら。」

確認するように白雪さんがこちらの顔を見ながら聞いてくる。私は頭の中で一瞬確認してから答えた。

「この3人で言ったのが今日で3回目、私個人で言ったのが2回ですね。」

「俺は個人で1回いったなぁ。あとはひたすら訓練って感じ。」

「私は一人では行ってないわね。」

全員で現状を確認していく。

「ちょっと相談なんだけど…。」

そう言って白雪さんが冒険者ギルドのホームページのリンクを送ってくる。私はそのページを開いてみるとそこには

「魔法講習?」

そこには魔法を使えるようになるための講習の日程と受けるための条件などが書かれていた。

「受けたいんですか?」

私が聴くと、白雪さんがうなずく。

「だって、正直私だけ貢献度低いし。」

「そんなことねえって。」

火野さんがそういうが、実際役立つ場面が少ないのは事実だ。だからと言って負い目に感じるほどじゃないけれど。

「それに……。」

そう思っていたが、白雪さんは目を輝かせていて、

「魔法ってなんかかっこいいじゃない。」

結局、白雪さんと……興味があったので私も講習に参加することにした。参加費は一回10万円。かなり割高だが、教えられる人がかなり希少で日程の調整が大変だと聞いた。

ちなみに火野さんは近くの施設でトレーニングに参加している。定期的に私たちの冒険者講習に教師をしてくれていた赤井さんが道場のような事をしていて、こっちもお金をはらって参加しているらしい。

と言っても、魔法の講習ほど法外な値段ではなく、1か月で8万という感じらしいが。

閑話休題。私は一番後ろの角積に座った。場所は冒険者ギルドの3階会議室。

広々とした会議室にはすでに100人近い人がいて、かなり騒がしい。

「結局どんな感じなのかしらね、魔法って。」

隣りに座る白雪さんがつぶやく。私は「さぁ。」と気のない返事をした。

結局受けるまでは分からないのだから、今考えたところで意味はない。

「すみませ~ん……。」

そんな時、後ろから小声で話し掛けられた。私と白雪さんが同時に振り返ると、そこには気弱そうな女性がおろおろとこちらを見ていた。

「隣りの席……よろしいですか……?」

そう言われて私たちは顔を見合わせると「はい、大丈夫です。」と代表して私が答える。

女性はほっとした表情で席に座る。

しかし、それ以上話すこともなく、私たちは若干気まずい沈黙に包まれ、講習が始まるのを待っていた。

10分後、会議室の前側の扉が開き、30代ぐらいの女性が入ってきた。

「今回この魔法講習を行う白井です。まず…」

そうして魔法についての学習が始まった。

そもそも魔法とは、原理不明の力である。現在、体内にある魔力を外に出して、何かしら手を加えることで物理的な現象を発生させるというのが主流の説らしい。

少なくとも日本で魔法を使う人々はその理解で魔法を行使しているらしい。

しかし、科学的に解明できてはいないと白井さんは語る。

「ただ、観測すること自体は成功しています。そのため現在、都市には少しずつですが魔力センサーとでも呼ぶべき装置が配置され始めていますね。」

そこら中から「へー」という感心した声が響く。そこまでは私は事前に学習していたので、メモと内容を突き合わせるだけだった。

「さて、その魔法の使い方ですが、体形かされた方法は基礎部分だけです。イメージ的には体内の魔力を循環させてある程度安定させます。この時密度を上げるイメージを固めるとよいです。」

周囲からノートにメモを取るpenの音、スマートフォンを叩く音、キーボードの打鍵音が響く。だれもが集中して聞いている。

「そして、魔力が安定したらそれを体外に出します。」

白井さんは右腕を伸ばして手の平を上に向ける。誰もが手のひらの上に集中した。

「そして、ここが一番感覚的なんですが、その塊を物理現象に変換するというイメージをして、感覚的に変えると……。『水よ』」

突然、手のひらの上に水球が発生した。

周囲からは驚嘆のどよめきがおこる。私もメモの手を止めてその水球を見つめた。

隣の白雪三も「へー」と感心したようにつぶやいた。

「さて、ここにいるのは魔力操作を覚えている冒険者だけのはずです。

ここで一つ大切な事を伝えなければ行けません。」

水球を消すと、真剣な表情で白井さんが話始めた。

「魔法はライフルやショットガンと変わりません。むしろ極めればそれをあらゆる面で超える事さえ可能とされています。

だから、絶対に魔力操作も、魔法の使い方も他人へ教えてはいけません。事前の資料に守秘義務が書かれていたのはこのためです。

もし、これを破った場合は銃刀法と同等以上の罰則が、教えた側・教えられた側両方に加えられます。多人数に許可なく教えた場合はテロ等準備財として捕まります。

くれぐれも、くれぐれも軽率な行動は取らないように。」

室内は重い沈黙に包まれた。

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