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夫に「ただの主婦」と言われた私、実は誰かの人生を変えていた  作者: すみれ


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第51話 久しぶりの夕飯

「え、本当に帰ってきた」


玄関を開けた瞬間、


そんな声が聞こえた。


私は思わず足を止める。


リビングを見ると、


見覚えのある顔が立っていた。


夫の妹だった。


「久しぶり」


向こうが笑う。


「びっくりした」


私が言うと、


「こっちも」


と笑い返された。


夫がキッチンから顔を出す。


「冷めるぞ」


テーブルにはカレーが並んでいた。


私はバッグを置いて席につく。


三人で夕飯を食べるなんて、


いつ以来だろう。


話題は仕事だったり、


最近のことだったり、


本当に他愛のないものばかりだった。


その途中で、


夫の妹が言った。


「ニュース見たよ」


私は苦笑する。


「それ、みんな言う」


「だってびっくりしたもん」


そう言ってスプーンを動かす。


少し間を置いて、


今度は夫の方を見た。


「お兄ちゃんなんかもっとびっくりしてたし」


夫が顔をしかめる。


「余計なこと言うな」


「本当じゃん」


私は二人を見比べた。


兄妹らしいやり取りだった。


「電話してきたもんね」


夫の手が止まる。


「だからやめろって」


「また無理してるんじゃないかって」


夫は返事をしなかった。


代わりに、


カレーを一口食べる。


その様子がおかしくて、


向こうは笑っていた。


食事が終わり、


夫の妹は帰る準備を始めた。


玄関まで見送る。


靴を履きながら言う。


「じゃあね」


そして、


ドアを開けかけたところで振り返った。


「ちゃんと寝なよ」


私は思わず笑う。


「母親みたい」


「みんな思ってるから」


そう言い残して帰っていった。


ドアが閉まる。


私はしばらく玄関に立っていた。


リビングに戻ると、


夫が食器を流しに運んでいる。


私は何となく言った。


「電話したんだ」


夫は振り返らない。


「あいつが勝手に言っただけだ」


「心配してた?」


しばらく返事がない。


蛇口の水音だけが聞こえる。


やがて、


夫は皿を洗いながら言った。


「してないわけないだろ」


それだけだった。


でも、


なぜかそれ以上聞けなかった。

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