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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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帰省と学校と昔のクラスメイト

 PCが起動しなくなったときがありましてね、復旧にスマホとモバイルPC片手に検索しながらロールバックやディスクチェックをしてようやく復旧したんですね、そんな時にようやく使えるようになったメインPCにメールが届いていました。


 メールの内容には昔住んでいたところで奇妙な事があったという話でした、おおよそ以下のようなモノで、残しておきたいので送ったのだそうです。


 どうにも昔は故郷というのが嫌いだったのだが、お盆には帰ってこいと言う親に仕方なくしたがって帰ることにした。まあその時は奨学金の返済を支援するからという条件付きではあったが……


 駅から実家に帰っている途中、小学生が行列を作って歩いていた。微笑ましいもんだと思うと同時に、自分も昔はあのくらいの歳だったんだなと懐かしく思った。


 そんなものを見ながら少ないにもつのまま実家に帰ってきた。そうすると両親が出迎えてはくれたのだが、始めから仕事と結婚の話を持ち出されるのにはうんざりした。それを適当にはぐらかしたまま、久しぶりの和室でくつろいでいた。


 ふとその時に思いだしたのだが、駅から歩いているときにすれ違った小学生の行列、その行列の中に昔のクラスメイトを見ていた。おかしい、何年経ったと思ってるんだ? あの時小学生の姿のままのクラスメイトがいたとでも言うんだろうか?


 あり得ないとは思うが、どうにも先ほど見た姿の中で、他の小学生の顔は覚えていないのだが、昔のクラスメイトの顔だけは覚えていた。


 昔ながらの顔のまま、小さな子供が歩いていたのを思い出すとゾクリとした。しかし、ようやく帰省をしてきたばかりなので疲れの方が勝って行儀も何も無く畳の上にそのまま寝転がって目を閉じた。


 そうすると翌朝になっていて、両親はもう起きていた。またうるさく言われても嫌なので、トイレにだけ行って寝ているときのスウェットのままで家を出た。旅の恥はかき捨てと言う言葉もあるし、たまにしか来ないここでバシッと決めた姿をする必要は無いだろう。


 とりあえず近所の自販機に行って家で補給出来なかった水分を補給して気晴らしに散歩をした。


 その日は自分こそ休みだが、学校にとっては平日なので小学生が集まって朝礼をしていた。しかしそれを見て自分の目を疑った。


 昔に比べて全校生徒が少ないとも思ったが、そんなことはどうでもよく、生徒達は新しそうなブレザーの制服を着ていた。男女共用かと思うくらい似ているのは時代の流れだろうか? それにしても全員その制服を着ている。


 昨日ここに帰ってきた時に見た小学生の行列は昔ながらの学ランとセーラー服を着ていた。自分が昔着ていた服だからこそアレが小学生の行列だと一目で分かった、しかし現在小学校に集まっているのはまったく昨日の行列とは違う姿をしている。


 怖くなって実家に帰ると、小うるさい説教を聞いて、こちらはまだ現実のものだと安心した。


 そして最後に奇妙なのは、帰省をしているときに友人と電話をする機会があったのだが、顔も名前も覚えている、あの見分けが付いたクラスメイトの一人のことを恐る恐る話題に出したのだが、そんなクラスメイトは小学校に居なかったろと言われ混乱したまま実家から帰っていくことになった。


 メールの内容となる、困っているわけでは無いのだが、自分だけが見たあの小学生が一体なんだったのか考えるたびに不安になるので元々帰っていなかった実家に帰ることがさらに少なくなったのだそうだ。

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