空き家になっている理由
その日、PCのデスクに突っ伏して寝ていたのだが、気が付くと自分を上から見ていた、呑気にも『これが幽体離脱ってヤツか』とくだらないことを考えていたら意識が遠のいて、気が付くとデスクに突っ伏していた。
なんとも妙な体験だったなと思いながらPCのディスプレイに目をやると、重要表示のメールが一通来ていた。他のものを後回しにして、奇妙な偶然に感じるところもありそれを真っ先に開いた。
内容は以下のようになった。
引っ越す前、住んでいた家は隣家が空き家になっていた。空き家になっているだけならいいのだが、不動産業者も手入れをしていないらしく、草が鬱蒼と茂っている家が建っているが、そのうち木材の腐食で倒れるんじゃないかと噂されていた。
大人達は空き家をなんだか避けていたし、学校の生徒もイタズラをよくやるような連中も放置されている土地だというのに決してそこでたむろすることはなかった。
何故かというのは誰も知らないまま、ただ誰もが気味が悪いと思っていた。そんなある日、その家から少女が郵便受けを開けているのを見た。黒髪おかっぱの古風な格好をした少女だった。
誰だろ? そう思いながらも、あの不気味な空き家から出てきた少女に声をかけるのも気が進まないので、見なかったことにした。
その晩のことだ。寝ようかと思って明かりを消したのだが、窓の外がなんだか明るい。幹線道路からは離れているのでそんな明かりが見えるはずはない。
寝ようとするのだが、気になってしまうと窓の外がどうなっているのか見たくなってしまった。恐る恐る、窓を開けると、チェレンコフ光というのだろうか? それに似た青い光を放つ、昼に見た少女が窓の外に立っていた。
これは誰だ? 一体何が起きている? とは思ったが分かったことは子の少女がこの世のものではないというだけだ。
少女が口角を上げて笑ったところで急いでカーテンをしゃっと閉めた。それから布団を被って一晩寝る。起きてきたときには何の異常も無くなっていたので、一安心して朝食を食べに階段を下りた……ところで気が付いた。
そう、昨晩自分の部屋であの少女を見たが、自分の部屋は二階にある。どう考えても建てるような場所なんて無い。一応屋根の上があるが、あんなに安定してたって入れるだろうか?
考えると怖くなったので何も見なかったことにすることにした。口を閉ざしてその子とを人に言うことはしなかった。あの少女を見たのは一回きりだったので、必死に気のせいだと思うことにした。
青の家の跡地で何があったのかは分からない。ただ、両親にどうしてあの家は引っ越していったのか聞いたところ、『前に住んでたヤツがまともに供養せんかったんや』と吐き捨てるように言っていた。それ以上のことは教えてもらえなかったので、あの少女がどうして出てくるようになったのかは不明だが、あの家の跡地を見る度に複雑な気分になる。
このような内容だった。一応ネットで軽く事件があったのか探してみたが、まったく見つからなかったので犯罪関係ではないのだろう。ただ、今もその少女が出ているのかと思うと、見てしまった人も、そのこの世のものではない少女も気の毒だなと思わされた。




