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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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何故そう思ったのか?

 あの日はメールチェックをしながらヘッドホンを付けてPCで作業をしていた。その結果、スマホの方に届いたメッセージは後回しになって、それに気が付いたのは夜になってだった。


 メールには、新興住宅地に住み始めたのだが、なんだか妙なことが起きるのが気になるが何かお菓子のことがあるのではないかと聞かれた。


 男は所帯を持って一人前、そんな価値観の上司が今となっては珍しいお見合いの紹介をしてきたので、合うだけのつもりでお見合いをしたのだが、妻とは思いのほか話が盛り上がって、お互い価値観というものが近かったこともあり、あっさりと交際を始め、すぐに結婚まで話は進んだ。


 そうして結婚となったのだが、その時に上司が家の購入を勧めてきた。賃貸でも良いかと思っていたのだが、上司が言うには子供のためにも家を買って一国一城の主になれと、そう言われた。


 古くさい価値観だなとは思ったものの、それをバッサリ現代の価値観で否定するのもどうかと思い、不動産屋に冷やかし半分で良い物件がないかと行ってみると、思わぬ掘り出し物があり、妻を連れてくるとそこをかうのに賛同してくれたので、あっさりと住宅の購入となった。


 建売住宅の一つだったが、そこはまだ人が多くないので安く売っているらしい。なんでも開発される土地なので、今のうちに買っておけば便利な土地になるのでオススメなのだそうだ。


 それを信じて買った後、割と早く引っ越しとなったのだが、越してからが問題だった。


 どうにも妙なことが起きる。始めは真冬でもないのに朝起きると水道からちょろちょろと水が出ていたり、蛍光灯ではなくLED照明なのに何故かちらついたり、時には目が覚めるとトイレに行ったとき、水洗を流した後のタンクへの給水がされていたりした。その時は夜で妻も起きていないので誰かがトイレを使うとも思えない。半端な知識でタンクを開けてみても異常は無いし、用を足して水を流すとしばらくして給水はきちんと止まった。


 まるで誰か自分たちと違う誰かが住んでいるような気のする場所だ。だが、建売で前居住者などいないはずなので幽霊が居るとも思えない。


 そんなことが続いていると、妻の方も気になり始めたようなので、何とかしたいと思ったのだが、何か方法は無いか?


 とまあそんな内容のメールだった。私はふと、何故かそのメールを読んで、頭に不思議と浮かんだことがあったのでアドバイスをした。


 すると返信がしばらく後で返ってきた。内容は……


 業者を問い詰めたところ、建てるときに地鎮祭を省略したそうです、向こう持ちで後から儀式をしてもらったところ妙なことは無くなりました、ありがとうございます。


 そう書かれていた。一応は地鎮祭をやっていなかったので妙なことが起きたということで済む話なのだが、妙に気になることがある。


 何故私はそのメールを見たときに真っ先に地鎮祭のことが頭に浮かんだのだろう? 地鎮祭などというワードは全く出てきていないし、行われたかどうかなんて知りようのないことだったのだが、メールを読んだときに真っ先に思い浮かんだのがそれだった。


 対して怖い話ではないのだが、原因が何故か直感で分かったことはなんとも不思議なことだなと思った件だった。

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