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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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おばあちゃんとおじいちゃんと暮らしていた家

 その日は偶然にも、墓参りを終えて休んでいるときにPCにメールが入った。内容は怪談だったのだが、そのタイミングの偶然の一致に何か感じるものがあったのでそれを熟読した。


 私は昔、家で家族揃って暮らしていたんです。一階と二階に出入り口があって、直接二階に出入り出来るようになっていたんですよ。それで時々おばあちゃんやおじいちゃんと話をしながら生活していたんですよ。


 それで普通に生活していたんですけど、私は二階に自分の部屋があって、主に二階で生活をしていたんです。


 そんな所で生活をしていたんですけどね、小学校に上がったときです、私いじめのターゲットになったんですよ。


 学校でいくら泣こうが帰宅するときには笑顔に無理矢理なって家に入っていました。だから両親にはなんにも聞かれなかったんです。自慢じゃ無いですが演技力があったのかバレていなかったと思います。


 でも、ある時なんですけど笑顔で玄関を開けて入ると、なんだか心が疲れちゃって、滅多に行かない一階に降りて泣いていたんです。その時におばあちゃんとおじいちゃんが部屋の襖を開けて入ってきたんです。


「何とかしてあげようか?」


 そう言われ思わず頷いてしまった。祖父母共に何も言わないまま、私に微笑みかけながら部屋から出ていきました。


 不思議な事におばあちゃんもおじいちゃんもそれ以降家で会うことが無くなったんですけどね、私をいじめていたグループは揃って遊んでいるところへアクセルとブレーキを踏み間違えた車が突っ込んで揃って怪我をしたんです。


 怪我の具合は様々だったんですが、幸い……と言うべきですかね、後遺症が残るような子は出ませんでした。でも、その事故があってかその子達はなんだか私から逃げるように近寄りもしなくなったんです。


 不思議な事なんですが、アクセルとブレーキを踏み間違えたのが原因で車に突っ込まれたようなんですが、突っ込んだ側がどうなったかという話は不思議と何も起きなかったんですよね。


 それともう一つなんですが、それから家でおばあちゃんとおじいちゃんを見なくなりました。おかしいなと思ったんです、少しだけ、実はいじめっ子達に突っ込んだのはあの二人なんじゃ無いかと思ったんですけど、どうやら違うようなんです。


 両親に聞いてもウチはこの家に越してきてからおじいちゃんもおばあちゃんも居ないんだと言われました。聞いたら露骨に不機嫌になるんですよ、随分後に聞いたところによると、二人とも両親と折り合いが悪かったそうです。


 じゃあなんてあの時住んでいた家が二世帯住宅のような仕組みになっていたのかは結局聞けませんでした。


 大学に上がって地元を出てからあの二人は一体誰だったんだろうと気になることが時々あるんです。


 こんな事を思うのは不義理が過ぎるのかもしれないですが、正直また会ったらどうなってしまうのか考えると怖くて二度と遭いたくないんですよね。アレは誰だったんでしょうか? いえ、分からないままの方が良いかもしれないので回答はしなくてもいいですよ。


 それがメールの内容だった。その二人の手がかりは何処にも無かったし、ブレーキとアクセルの踏み間違いは定期的に起きる事故だったので調べてもそれらしいものが無い。このメールの主が一緒に住んでいたのが誰だったのかは私の知らないところである。

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