表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪談集「暗中」  作者: にとろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/76

逆ではないか?

 その日は寝ていたのだが、スマホからの音で目が覚めた。窓を見ると真っ暗なので、時計を見ると真夜中だった。こんな時間に誰が連絡をと思っていると、SMSで長文が送られてきていた。


 これだけ長文を連続で送ればお金もかかるんじゃないかと思ってしまうほどだったが、それを読んでみると大体の内容は焦りの強いものだった。


 まだまだ暑いので、友人達が集まったときに夜、遊びに行こうと提案がでたのは必然だった。友人達と一緒に何処に行くかとなったとき、運の悪いことに近所に有名な心霊スポットがあった。


 遊びに行こうにも場所は限られているのでそこに行こうとなるのは必然だった。何しろ祟ると有名だったので行ってみるとスリルがあるだろうと、男が数人揃って馬鹿馬鹿しいことをしようと思うとそんなことを思いついてしまう。


 そこで夜、酒も入っているというのにその心霊スポットに行った。ソレが具体的にどこであるかは伏せさせてもらいたい。


 歩いてそこに向かったのだが、そこに行ったところで当然のように何も起きない。なんだこんなものかという雰囲気だったのだが、酒が入っていたから……というのは言い訳かもしれないが、友人の一人が飲み過ぎて戻しそうになっていた。


 あろうことかソイツは心霊スポットでその呪物に向けて吐瀉物をぶちまけた。あってはならないことだと酔った頭でもすぐに理解して、吐いているソイツを引っ張ってその場から立ち去った。


 始終吐き気を催しているソイツを連れて何とか帰ったわけだが、問題はその後だった。呪物に吐きかけた本人は朝になるまでトイレとキッチンを行き来することになった。とにかく吐き気がおさまらない、水分が出て行くので水を飲む、その繰り返しで朝まで続いた。


 悪いことに、ソイツは月一くらいのペースでそんな日がやってくることになった。日が決まっているわけではないので、まともな生活を送るのもしんどい。


 結局ソイツは実家に帰って療養するようになったのだが、アイツがいなくなると他の誰かが代わりにあんな風になるのではないかと怖くて仕方ない。何とか祟りだか呪いだかを祓う方法があるなら教えて欲しい。


 おおよそ以下のような内容になった。呪物に吐瀉物をかけたのが原因だと送信者は考えているようだったが、どうもそれは原因と結果が逆なのではないかと思った。


 おそらく祟りにあった彼と同じくらい酒を飲んでいるはずなのに、その彼だけが吐き気がおさまらないというのは、そもそもその吐き気が呪いによるものなのではないかと思った。


 私は返信に彼の名字を教えてもらえないかと尋ねた。それは漏らさないので出来れば教えて欲しいくらいに尋ねたのだが、漏らさないと約束をしてくれるならと教えてくれた。


 その結果、どうやらその祟りの対象になった彼の名字は、昔からあるもので、とある武家の血筋に多いものだった。


 呪物について伏せたのは、それがとある武将が関係しているものだからだ。どうも彼は、呪物に失礼を働いたのではなく、呪物が彼を呼んだような気がしてならない。


 メッセージを送ってきた方には、他の方は大丈夫でしょうと伝えておいた。薄情と言えるのかもしれないが、それを伝えると被害に遭った彼のことは触れもせず話が終わった。


 恨みというのはいつまでも残るものだなと背筋が冷えたのを覚えている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ