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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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クレームのメールと欠勤した人

 その日、暇つぶしにゲームをしていたのだが、ゲーム内でメッセージが届いていた。そういえば以前ネトゲのアカウントを後悔してしまったことがあったが……随分前の連絡先からコンタクトを取ってきた人のようだ。


 その方の内容を大体まとめよう。


 昔、バイト先で遊んでいた。その頃はスマホがまだ無い時代で、携帯電話はあったが今ほどSNSが普及はしていなかった。


 そんな時代なのでバイト先が暇なとき、バックヤードで友人にメールをしていた。今とは比べものにならない時給だったが、その分緩いところもあった時代だ。


 客が少ないコンビニだったが、バイトは人数がいたので交代でサボっていた。店長も元々売り上げが微妙だったので防犯カメラも何かなければ確認などしていない。レジの数字が一致すれば一々確かめようとはしない人だった。


 その日は一人が休んで、代わりの人に来てもらった日だった。人材が余っていたが、ワンオペさせると金銭面で信用出来ないという理由で人を呼ぶ余裕はあるようだった。


 みんな、それなりにお金が欲しかった連中だったので人手は結構集まった。そのおかげで結構気楽に過ごしていた。


 ただ、その途中、予定外で来ていた後輩が怪訝な顔をして携帯を見ていた。店内に客はおらず商品の入荷もまだだったので問題は無いのだが、じっと携帯を見ているとお客様が来たときにすぐ対応出来ないかもしれない。一応店内も見ておくようにと言おうとしたところ、彼は神妙な顔をして言う。


「あの……俺、Cさんの代わりに入りましたけど、Cさんなんかあったんすか?」


 そう尋ねてくるので、無断欠勤しているだけだと伝えると、彼は携帯の液晶を見せてきた。そこには『この前、弁当に髪が入っていたぞ』と書いてあった。


 髪が本当に入っていたのかはともかく、なにかの手違いで販売してしまったのかもしれない。ただ、店員個人のメールアドレスにそんなクレームが入ってくるのはおかしい。


「メールアドレスなんてお客さんに教えてないんですけど、名指しのクレームでCさん宛に来ているんですよ」


 なんとも奇妙なメールだったが、そんな誰から来たかも分からないメールに対応している暇はない。気にするなといって勤務に戻らせた。


 それから結局彼のところへメールが届くことはなかった。ただ、問題はCが無断欠勤した理由だ。半ヘルで原付を飛ばしていたところ、段差にタイヤをとられて滑り、あごひもはしていたがヘルメットはすっぽ抜けて顔をアスファルトに擦ったのだそうだ。


 ただ、彼の顔には結構な傷が残っていたが、気になるのは彼の髪が生えていた部分も結構な面積が削られていた。


 彼はそのままバイトを辞めてしまったが、果たしてあの時髪の混入というクレームが来ていたのは偶然だろうか?


 そんな話をされたのだが、私はもう昔のことなら気にしなくても良いんじゃないかと伝え、彼はレベルが高かったので私のレベル上げを手伝ってもらった。その間に彼は『俺に変なメールが来たらどうすればいいんですかね?』などと数回聞かれたのだった。

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