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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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綺麗な花を供えると

 朝、メールをチェックしてから出ようとしたとき、一つ長いメールが届いているのに気が付いた。画面の大きいサブスマホでソレをダウンロードしてから、出ている途中に読むことにした。


 その内容はここまでの長文になるようなモノなのかというモノだった。


 始めは友人達と一緒に墓参りをしたときのことだ。墓参りと言っても、故人を偲んでのようなことではなく、誰かが『見ず知らずの墓に参ったらどうなるんだろうな? 荒れてる墓に綺麗な花が供えてあったら皆驚くんじゃねーの?』という悪ふざけとしか言いようがない思いつきから始まった。


 適当にスーパーで安くなっていた花を買って、近くの霊園に行った。おあつらえ向きに無縁仏同然の人が訪れていないであろう墓はいくつもあった。


 その中でも雑草が生えている区画の一つにボロい墓があったので、そこにこっそりと綺麗な花を供えて翌日見物に来ようと言ってから解散した。


 その翌日のことだ。霊園に行くとあの草が鬱蒼と茂った墓にはクタクタに枯れた花だったものがあった。皆呆然として『昨日、あの花って綺麗なままだったよな?』誰かがそう言ったのだが、全員頷いていても理解が出来なかった。


 問題はその晩のことだ。夢の中に子供が出てきた。その子は着物を着ているのだが、花をプチプチとむしっている。女の子らしいその子に『その花……』と声をかけると、こちらに向いてきた。ただ、その顔は眼窩は真っ暗な穴になっており、鼻と口があるところはただ黒い穴が空いているだけだ。これは人間なのか? いや、どう考えても人間では無いのだが、どうして俺の所に……と考えているところで目が覚めた。


 起きてようやく気が付いたのはあの子がむしっていた花は、先日勝手に墓に供えたものに違いない。友人達に思わず電話をすると、彼らも男性だったり老人だったりはしたが、この世のものとは思えないものを見ていた。


 どう考えてもこのままにしていいはずがない。だがどうしたものだろうか? あの墓地に眠っているのが誰なのかなんて知るよしもない。さらに関わってどうなるかも分かったものではない。どうするべきだろうか?


 そういう内容のメールが届いていた。気になったのは夢の中の出来事はある程度割愛してあるのだが、非常に長文で詳細に書かれていたことだ。人は夢の中のことをそこまで子細に覚えていられるのだろうか?


 とにかく何か出来ることを教えてくれと書かれていたので、私は写経でもしたらどうかと答えておいた。多分放っておけばその霊のようなものは離れていくだろうが、このメール送信者には安心出来る何かが必要なのだろう。


 私は差も効果があるように書いてメールに返信しておいた。その後返信が無いのは、彼らが無事暮らせている証拠なのだと思うようにしている。

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