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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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遊ぶのやめるね

 その日は珍しくネット通販のセール通知しかメールが来なかったので、平穏な日かと思っていたところ、郵便受けに黒い封筒が入っていた。わざわざ黒い封筒に入れているあたりに嫌なものを感じつつ、部屋でいつでもシュレッダーにかけられる状態にしてソレを開封した。


 そこにはファンシーなキャラが描かれた便箋に、赤いペンで悩みが書かれていた。私は別にお悩み相談係では無いのだが、オカルトに関係があるのかもと、それを読んでみた。


 最近、友達が『新しい友達ができたからもう遊べないんだ』と言ってきた。よくあることだと思っていたのだが、その新しい友達とやらには一度も会ったことが無い。


 会わせたくない理由でもあるのか、元友達に会わせる必要は無いと思っているのか、とにかくその姿を見たことが無かった。


 始めは気にしていなかったのだが、友達というのが本当に居るのだろうかと疑問を持ってしまった。彼女はあれから一人で学校から帰っているし、休みの日に会うのもひとりぼっちだ。


 ただ、彼女はいつも楽しそうにその友人との話をする。流行っているゲームをしたとか、一緒にショッピングに行ったとか、誰もそれを見ていないが、とにかくそういうことをして遊んでいるらしい。


 そんな彼女がなんだか気の毒にさえ思えてきた。友達が実は居ないんじゃないかとか、居ても一方的に良いようにたかられているんじゃないかなどと考えが浮かんでくる。


 そんな元友達を放っておけず、ついには話しかけてしまった。するとその子は、『私、嘘言ってないよ! ちゃんと家に居るんだから!』と必死になって怒ってきた、そもそも家に居るってなんだよと思いながら、話を聞いていたのだが、次第に落ち着いてきたその子が『会わせてあげる』というのでその子の家に行くことになった。


 家は普通の見た目で異常は無いので、本当に友達ができたのかと思っていたのだが案内をされた部屋で絶句した。そこにはずらっと人形が飾ってあった。それもビスクドールだった。そのガラスの目から気味の悪さしか感じない。しかし彼女はその中の一帯を手に取って『この子、可愛いでしょ? ちょっと他の子と遊ぶとヤキモチを焼くんだけどね』と言ったので『そっか、じゃあ私は帰るね』と言って逃げ帰った。


 アレはただのビスクドールのはずなのに、彼女がこちらにそれを向けたときに、ガラスの目が少し動いて瞬きをしたのを見てしまったのでもうだめだった。


 便箋の最後に、彼女にしてあげられることは何か無いでしょうかと書かれていたのだが、それが本当だったにせよ、その人形が何か良くないものだったにせよ、その人形に執着しているその子から引き離すと恨みを買うだけだから忘れた方がいいと末尾に書いてあったメールアドレスに送った。その奇妙な手紙の返事はまだ来ていない。

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