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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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幽霊が、消えればいいというわけじゃない

 その日、ソースコードを書いている最中にメッセンジャーがメッセージを受信した。お金が無いので個人で出来るお祓いの方法を教えてくれということだった。


 そんなモノは勝手に調べれば良いだろうと思っていたのだが、書いていたコードが一段落付いたので、話を聞いた。


 なんでも所謂瑕疵物件に住んでいたそうだ。それも理由はお金が無いからと言うことで、その物件に幽霊が出るのだそうだ。


 その物件が妙に安かったのが入居した物件だ。借家だというのに、少し良いマンションより安いくらいの金額で貸し出しになっていたので二つ返事で借りたのだそうだ。その時に告知事項もされたのだが、もう何が起きた家かは忘れてしまったそうだ。


 何かが起きたのであろうが、何が起きたのか聞くのも怖い。不動産屋に聞けば教えざるを得ないだろうが、それを聞いてどうにかなるわけでも兄ので怖い話は聞かないことにしたらしい。


 ただ、夜に寝ていると時々目が覚めて、部屋の隅におじいさんが体育座りのような格好で座っているのを見るそうだ。それ以外の害は無いのだが、夜に目が覚めると翌日眠くて仕方ない。


 気分が悪いので何か良い方法は無いかと、神社でもらったお札を貼ってみたが、何も変わらず爺さんは出てきた。次には日本酒を部屋の隅、爺さんの幽霊が出るところに置いてみた。一応こちらは効果があったのかもしれない、次に目が覚めたときには爺さんが赤ら顔をしていて、翌日になると酒を注いでいたコップが空になっていた。


 これはどうしようも無いなとイライラしていたのだが、何とかする方法は無いかと私に聞いてきたそうだ。


 私はこれと言って大した対処法を思いつかなかったが、彼の住んでいるところからほど近い縁切り神社を教えると、そこで霊との縁を切ってもらうように頼んでみるといいとアドバイスをした。それに既読を付けるとお礼を一つ返してメッセージは返ってこなかった。


 思いついたらすぐに行ったのだろうか? そう思いつつも、しばらくの間返信も無かったので無事縁を切れたのだろうと思っていた。しかし忘れた頃にまたその彼からメッセージが届いた。


 しかししばらく経って、彼から怒りのメッセージが届いた。なんでも借家の隣の家にあの爺さんが出るようになったらしく、近所と険悪な仲になった上、不動産業者から文句を言われたらしい。


 瑕疵物件を貸しておいてよく言うなと不動産屋には思ったそうだが、隣の家に出てくるというのは流石に気の毒に思えた。


 結果、仕方なくかなり住まいとしてのグレードを落としたアパートに住むことになったそうだ。それから普通の暮らしが出来ているそうだが、一回不動産屋の前を通った時に、釣り物件のようにあの借家が目玉物件として紹介されていたのには腹が立ったのだと書かれていた。


 果たして私が悪いことをしたのかは結論が出ない話だった。

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