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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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肝試しと救われた一人の幽霊

 その日は休日だったのでサイレントモードにスマホを設定して、暇つぶしにのんびりと寝ていた。そんな時、PCの方にメールが届いた。スマホをサイレントにしておけば静かに過ごせるだろうと思っていた自分を恨みながらPCのメールをチェックした。


 そこにはとある地方で、祈祷師かお祓いの出来るところを教えてくれと書いてあった。そもそも自分でも分からないときは検索して出てきたところを紹介しているのにあてにされても困る。


 ただ、結構切羽詰まっているようで、現状に困っているらしい、メールの内容としてはおおよそ以下になる。


 すいません、友達と肝試しに墓場に行ったら一人おかしくなったんです! 助けてください!


 偶然家の近くに墓地があったんですよ、毎日そこにあるから誰も気にしてなかったんです。だから肝試しにはちょうどいいって……みんなで夜に墓地に入ったんですよ!


 そしたら……そしたら……墓地の中に人が居たんですよ! ただの人だと思って男達が普通に話しかけたんですよ! そしたらその音この人が振り向いて……ソイツ……顔の半分が溶けてたんだよ! 助けてくれよ! あの場じゃ全員逃げたのにあのオッサンが夢の中に出てくるんだよ! 畜生! 俺が何をしたってんだ!


 クソ! 家のまわりを回りやがって! 鬱陶しいな!


 以下、ほぼ意味不明な文章が書かれていた。私はとりあえず混乱を抑えて、キッチンに塩があれば玄関に盛り塩をすることと、鏡があれば家の出入り口に置いてみてくださいと返信した。


 それからメールが返った来なかったので、どうなったのだろうと気になりつつ寝ようとしたんですが、そこで再びメールが来ました。


 アンタすげーな、あのオッサンが家の前から消えたよ! 友達にもやっとくように言っとくよ、ところでお祓いって必要かな?


 正直コレに付き合っているとキリがないような気がしたのでメールにはまだ障りがあるようならお祓いを近くでしてもらうといいですよと返信しておいた。


 後は勝手にコレを送ってきた人が解決してくれるだろうと思っていた。それからメールに返信は無かったので平和的に解決したのだろうと思っていた。


 しかし、翌週になって、同じアドレスからメールが届いた。応急処置しか教えなかったし、ダメだったかと思ったのだが、どうやら少し違うようだ。そこには礼儀正しい文章で、私へのお礼が書かれていた。


 なんでも、生き別れになっていた母親と合うことができたとお礼が書いてあった。あのメールに母親のことなど何も書いていなかっただろうと疑問に思っていたのだが、それだけが送られてきたので、なんだか分からないが解決したのだろうと思っていた。


 その翌日、始めにメールを送ってきたであろう彼からまたメールが来た。なんでも昨日、玄関の鏡を倒して割ってしまったそうなのだが、そこから記憶が無く、気が付いたら隣町の古びた家の前に立っていたのだそうだ。


 その家には見たことも無い婆さんが立っていて、こちらに頭を下げていたのが不気味で仕方ないと書いてあった。


 なんとなくその婆さんとやらが、その前のメールを送ったナニカの母親なのだろうと理解出来たので、私は『災難でしたね、もう心配要らないと思いますよ』と返信しておいた。


 実際それ以降幽霊を見たと彼から連絡は無かったので、おそらくあの幽霊も満足がいったのだろう。どうしてメールに書いてあった状態で墓地をさまよっていたのかは知らないが、向こう見ずな勝手な人のおかげで成仏することができたのだろう。


 私はコレを一応のハッピーエンドとしておくことにした。きっと彼からの苦情が届かないのが万事上手く言ったという証拠なのだろう。思わぬ事ではあったが解決はしたようなのでその件は終わったこととする。

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