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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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雑な処分方法とその後悔について

 私が出かけようとした折、朝出かける前に郵便受けを見たところ、真っ赤な封筒が入っていた。赤い封筒に関する言い伝えは知っているが、郵便受けに入っているパターンは聞いたこともないのでそれを部屋に置いてから出た。


 それから昼間を過ぎ、帰宅後のこと、帰ってくると真っ先に目に入るのはあの赤い封筒だ。目立つしそのままにしている時が休まらないので開封した。すると黒い紙に包まれた一枚の何かと、便箋が入っていた。


 その内容は、写真の処分をお願いするということと、きちんと読んで欲しいから原色の封筒を選んだと書かれていた。読ませたいからってそんな工夫をされても困るんだがと思いながら、写真の入っているだろう黒い紙を慎重に開封した。


 その中に入っていたのは一枚のカラー写真、歴史のある白黒写真のような厄介なものではなさそうだと思いそれを見た。見た時に赤い封筒に入れるほど見てもらいたかったのだろうと分かった。


 その写真は幼稚園か保育園か、子供の集合写真なのだが、二列に並んで何かの記念写真のように撮られているのだが、その列の端におかしな子が写っている。


 その子だけ着ているものが明らかに違う、ずっと昔の服、ブランドものがどうこうという時代ではなく、おそらく子供服を親が仕立てていたような時代のものだろう、手作り感のある服を着ていて、目は落ちくぼんでおり、闇を湛えていた。


 便箋の方を読むと、端にいるのが子供ですと書かれていたので、この写真のこの世のものではないであろう子が手を肩に回しているのがおそらく送り主の娘なのだろう。その便箋には処分をお願いしますと書いてあった。


 何しろ帰ってきたのが夜だったので、小皿を出して机の上に置いた写真の前に盛り塩をしておいた。気休めだろうなと自分でも思ったのだが、それくらいでもしておかないと安心出来なかった。


 明日きっちり処分しないとなと思いながら、その日は寝た。随分寝苦しかった気もするが、夢の内容を覚えていないことはありがたいことなのだなと思い知った。


 机の上の例の写真を見れば、変わっている様子はないが、その前に置いている盛り塩は茶色く変色していた。


 コレは持っておけないなと行きつけの神社で処分をお願いしてもらうことにして向かうと、お願いしようとしたのだが、神主は留守だと言われた。


 珍しいこともあるなと思いながら別のところに行こうとしたのだが、神社を出る寸前、社務所から外の様子をうかがっている神主が見えた。こちらと目が合うと気まずそうにしていたので、神主でさえ関わりたくないものらしいと思うと流石に怖くなった。


 いくらか考えた末に、その写真はキャンプ場に行き、キャンプ用のグリルの焚きつけにした。それが正しかったのかどうかは分からないが、手に負えないものだろうと思ったので安易な方法で処分してしまった。


 無責任な処分法だとは思うが、向こうも連絡先を書いていなかったので、どう処分されたかは伝えようがない。少なくとも自分には何も起きなかったし、あとはこの写真に写っている子供が平和に生活出来ていることを祈っているが、それは確かめようのないことだ。

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