ようやく来た友達
私はその日、久しぶりに酔い潰れて寝てしまっていた。目が覚めるとスマホに大量のメッセージがあり、始めは起きた怪異について語っていたのが、最後の方は返事を急かすメッセージばかりになってしまっていた。
内容はといえば大体自分のしたことの後悔だそうだ。
相談をしてきた方は、もう大学生なのだそうだが、小学生だった頃、仲の良い友人がいじめられ、その時に助けることが出来なかったのだという。それ自体は仕方ないことだと思ったのだが……
どうやらいじめが始まり、そのいじめをしていたのが、所謂クラスカーストで一軍と呼ばれる女子達だった。下心から、自分もああなりたいと思っていた相手がいじめていたので、それに加われば自分も一軍になれるのではないかと思ったらしい。
そうしてクラスのほとんど全員がいじめに加わって、それはまあ酷いものだった。見える傷を付けること以外はおおよそいじめと呼べる行為をしたらしい。ストッパーのいない小学生などなんだってやってしまう。
いじめを受けていた子はそのうち学校に来なくなり、それから話題にも出さなくなった。先生も見て見ぬ振りをしていたので誰も彼女に触れることはなかった。
このメッセージを送信してきた彼女はそう主張していたが、勝手な意見だとは思いつつ読み進めていった。
それから卒業式になり、中学に上がったのだが、一軍だった女子達は私立中学に行き、公立に行ったため、結局彼女たちには慣れないんだなと思わされたのだという。
ただ、公立中学となると、小学校で出席をろくにしていないあの子も籍だけは中学にあった。一時同じクラスになった時にはいやな思い出が毎日出席するたびに蘇ってきた。どうしてどうせ誰も座らない席を置いておくのかと腹立たしく思ったほどだ。
ところが、そのクラスで同じ小学校から上がってきた子達が次から次へとあの登校していない子を見たと言う。入学式で久しぶりに僅かに見ただけだというのに、よくそう思えたもんだと思いながら聞き流した。
ただ、自分には何もしてこなかったので、本当に何かみたのかも怪しいと思っていた。
それから同じ小学校だった子達が次から次へとあの子を見たと言いだしたのだが、自分にはさっぱり見えなかった。それが悪かった。
自分だけ見ていないと言うことで出身校が同じ子達から恨みを買った。自分だけが被害を受けていないとはズルいという理由らしい。そんなことを言われても困るのだが、そのせいで小学生の友達とは絶縁されてしまった。
そうして今、ようやく自分の元へあの子が現れた。小学生だった頃の見た目で夢の中に出てきてはニヤニヤいやらしい笑みをこちらに向けている。毎日のように出てくるので寝不足で単位を落として留年までしてしまった。
どうにかして彼女を祓う方法はないかという話を持ちかけられたので、祓えるという人にこれを情報をある程度伏せてから話すと、『おそらくですが、その方はまだ存命でしょう。存命の型の生霊を祓うとその方に障りが出ますし、悪意があってのことなら祓いますが、申し訳ないが今回は協力出来ませんね』と返ってきた。
まあ本人が悪いと言ってしまえばその通りなのだが、そっと紹介出来る相手はいないと返信してそのメールアドレスからのメールをスパムフォルダに入れるよう設定した。
それから一週間ほど、スパムフォルダへ隔離されたメッセージの数が勢いよく増えていったが、時間がたつとそれも止まった。現在の彼女が健在かどうかは不明のままだ。




