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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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安心出来る理由

 私はDMを解放しているのだが、突然そこに『呪われてるんです! 助けてください!』というメッセージが届いた。そもそも情報を求めるところに助けを求めるのもどうかと思うが『話だけでも聞いてください!』という勢いに押され経緯を聞いた。


 なんでもメッセージ主は前に手酷く彼女を振ったのだそうだ。一途な娘だったらしいが、それが重く感じて適当な理由を付けて別れることにした。理由付けには苦労した、浮気をしたとまで行ったのに、しばらく見ないと思っていたら『彼女なんかいないじゃない!』と言われたのだそうだ。なんでもこっそりと尾行されて、彼女というものがいないことに確信を持たれた結果嘘がばれたのだそうだ。


 その件でこの先のことを考えると嫌になり、ハッキリ『嫌いになった』と言ったのだそうだ。感情の話には彼女の方も反論のしようがなく、泣きながら去って行ったらしい。


 そこで開放感から遊びほうけることにしたと言う。だが、女遊びをしようにも、いい感じになった時に彼女に電話がかかってきて急用が出来たと言われそれきりになったり、ギャンブルをしようにもパチンコも馬も船もさっぱり勝てない。


 それだけなら偶然かもしれないが、船や自転車の公営ギャンブルでゴール直前で券を買っていた選手が突然操作に失敗して転んだり、エンジントラブルに見舞われたりと散々だったらしい。偶然とはとても思えないのだという。


 偶然も何度も続けばおかしいとしか思えなくなってくるのだろう、彼は一つ一つはあり得ることを全部繋げて考えているのではないかと思う。


 気にしない方が良いですよと言いたかったのだが、彼の方は心底怖がったメッセージを送ってくる。正直これはメンタルをやられたのではないかと思えてくるほどだった。


 私はそれからしばし愚痴とも恐怖ともつかないようなメッセージを受け続け、これは彼に満足してもらうために方便を使おうと、彼の住んでいる地域で有名な神社を教えた。きちんと払うものを払えば祓ってくれますよと言って連絡を終えた。


 多分彼に必要なのはよりどころであって安心出来る材料だろう。もっと信用出来る所はあるにせよ、有名なところの方が今の彼には必要に思えた。有名だからというだけの理由で案外人は信用してしまうものだ。


 彼は喜んでお礼のメッセージを送ってきて、それ以来続報は無い。だからきっと彼は安心して偶然を変に結びつけるのをやめたのだと思う。


 彼は安心して暮らしているのだろうが、それから少し経ってから、私あてにDMで『彼に会えない許さない』とメッセージが送られてきたのだが、送信元の女性は不明な相手なので無視した。多分彼は本当に無事なんだろうなとそのメッセージから察したのだった。

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