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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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海水浴中に見た光り

 ある日、夜まで作業をしていて、ようやく帰ってからメールチェックだけして泥のように眠ってしまった。ソレから翌朝になってつけっぱなしにしてしまっていたPCの方を見ると、メーラーに新着メールが来ている。


 夜中に誰かが送ってきたのかと思い、ソレを開くとどうやら霊現象の話のようだ。私は眠気覚ましに一杯コーヒーを飲んでソレに向き合った。内容を読むと大体以下のような内容だった。


 なんでも、友人が海で泳ぐのを趣味にしていて、夏になるとこの暑くなった最近でさえ海水浴に出るという。そんな中でなんとも奇妙な体験を聞かされたそうだ。


 連休終わりに出社すると、その海水浴が好きな友人Sが暗く沈んだ顔をしていた。そんな時に暗い顔をして話しかけるのも気が引けて『何かあったのか? 連休明けだからってそこまで落ち込まなくてもいいだろ』と気軽に言ったのだが、Sは暗い顔のまま『なあ、あの世ってあるのかな?』と言ってきた。


 急な話題に面食らったのだが、『何かあったのかよ? 普段から細かいことを気にしてないヤツが急に真面目になるなよ、驚くだろうが』層状段目かして言うと、Sはポツポツ話し始めた。


 どうやら連休にいつもの様に海に泳ぎに行ったのだが、実家近くの海岸はほとんど人がいなかったという。そこで少し遠泳をしようかと思った。


 海に入って泳ぎ続けていると、実に気持ちがいい。海というのは良いものだなと思いながら、そこそこ泳いだので少し浮いて何処まで来たか海の上を見てみると、明かりのようなものが見える。今は真っ昼間だというのに漁り火をたいたイカ釣り漁船がいるかのようだ。


 そちらをよく見ると、青白い火球が集団で海の向こうへ飛んで行っている。緩やかだが確かにそちらに向けて動いていた。時期はちょうどお盆であり、怖くなってしまい必要以上の速度で砂浜に向けて泳いで帰った。


 泳いで帰るともう何も見えなくなっていた。自分で見たものが信じられなかったが、確かにアレは人魂にしか見えなかった。


 そんなことをSが言うので、気のせいじゃないのか? この暑さのせいで変なものを見たんだろ。


 そうは言ったのだがSの顔はすぐれない。何かあったのかと訊ねると、なんでも人魂が一つ町の方から飛んでくるのを見てしまったそうだ。それが出てきた先というのが、去年の夏に一人暮らしの老人が無くなった家の玄関をすり抜けて出てきたそうだ。


 時期はお盆であり、その家はもう家主もいなかったが、その家に住んでいた住人以外に考えられないと言う。


 Sの気持ちは分かることは分かるものの、考えすぎだよとしか言えなかった。


 最後に、Sをどこか寺か神社に連れて行きたいのだがどこかいいところを教えて欲しいと書いてあったので、近くで有名な寺を紹介しておいた。


 後日、同じ差出人からのメールが来ており、そこに行くと写経を勧められ、Sは半信半疑で写経をしたそうだが、一回終わらせるとなんだか心のつかえが取れたようでいつもの明るさを取り戻してくれたとお礼が書いてあった。


 一応はハッピーエンドと言うことでいいのだろう。Sさんとやらが亡くなった方々の冥福を祈った結果だと思っている。私はきちんと解決出来たので気分良くその日は過ごすことが出来た。

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