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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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知ったことではない話

 ある日曜の朝、PCを起動してメールをチェックしたところ、その日は来ていないようなのでそっとメーラーを閉じようとしたのだが、スパムが珍しく届いていた。フィルターをすり抜けたのか、珍しいこともあるとそれが入っているフォルダを開くと、そこには一通の情報提供が入っていた。


 どうやら、メールアドレスを使い捨てられるサービスから送ってきたらしく、そのせいでスパム判定されていたようだ。


 そのメールは『返信は結構です』という言葉から始まっていた。


 送信者はXさん……いや、Aさんとしておこう、最近Xという企業もできたので紛らわしいため、便宜上はAさんとしておく。


 Aさんは昔いじめをしていたそうだ。おそらく使い捨てのアドレスから送ってきたのはソレも理由の一つだろう。


 いじめは随分と激しかったらしいが、随所にAさんは大したことはしていないと書いていた。実際のところは怪しいものだと思うが、やましさを感じる程度には反省しているとも言えるかもしれない。


 いじめ自体は発覚しなかった……いや問題にならなかったそうだが、最近になった怖くなってきたらしい。どうやらAさんと一緒にいじめをしていた連中が一人一人と怪我や経済的にダメージを負っているらしい。


 あるものは平地を歩いているときに何故か転んで怪我をしたり、あるものはようやく勝った高級車を事故で即全損にしてしまったりと、様々な災難が降りかかってきているという。


 偶然ではないかと思ったのだが、彼はクラスのいじめに参加しなかったものとも関わりがあるそうだが、彼ら彼女らにはまったくそう言った不運な目には遭っていないらしい。


 そうしてあのいじめられっ子が何かしたのだろうと思っているそうだが、一向に手がかりが掴めないのだそうだ。ならば気のせいではないかと思うのだが、そうして悲惨な目に合った者達は口を揃えて『ごめんなさい、ごめんなさい』と繰り返していたのだそうだ。


 いじめられっ子が一体何をしたのかは分からないらしいが、とにかくそういう悲惨な目に合うのを回避したいのだという。そのために、きっと生きているであろう呪いを振りまいている人間を探して欲しいと書いてあった。


 メールに添付されていたファイルには、おそらく卒業アルバムか何かから切り取ったのであろう写真と、そのいじめられっ子の実名らしきものが書いてあった。


 そもそも私は探偵でもなんでもないし、これが本当ののろいかどうかは知らないが、本人達の因果応報な結末に関わろうとも思わない。私はメーラーのスパムフィルターにはじかれたものをわざわざ読んでから、フィルターにかかるようなものはそれなりの理由があるんだなと感心した。


 そしてそのメールをそっと削除し、それ以降のことは不明のままである。

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