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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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高校の思い出と同窓会

 その日、PCの前で寝てしまったのだが、イスに座ったまま船を漕いでいて、気が付くとメーラーに一通のメールが来ていた。


 その内容を読んだのだが、なんとも気味が悪いものだった。


 俺がギリギリ高校生だったつい先日、高校を卒業となり、後は進学のみを待っていた。


 そんな中、仲間内で『もうこうして集まることはないかもな』と言い、男ばかりでもなんとなく感傷的になっていた。


 そんなわけでも地元を離れることになったのだが、誰かが地元の神社に参っておこうぜと言い出した。もう引っ越すのだからとこれが最後の集まりになっても仕方ないという気分で神社に向かった。


 古い……歴史のある神社に行って、もうこれでお別れかもしれないと言うことで、全員奮発してお賽銭に千円札を一枚入れていた。


 これで済めばいい思い出なのだが、それから卒業して全員バラバラの地方に向かって進学をした。


 これでもう会わないかもしれないのは寂しいなとは思いつつ、大学では大学の人間関係を作って、高校のコトなんて記憶の隅に追いやられた。


 それが変わったのは同窓会だ、同窓会に出席するかというハガキが来たのだが、その時にふと気になったのはアイツらがどうしているかだ。ご丁寧に漢字の電話番号も書いてあったので懐かしい顔に電話をした。


 それから他愛ない話をした後、あの時の面子が同窓会に来るのかと聞いてみた。コンプライアンスを考えれば良くないのだろうが、案外あっさりと彼は答えてくれた。


「皆亡くなってるよ、知らなかったのか?」


 その一言に時代の流れでは説明出来ない怖さを感じたので、彼らが亡くなった理由を聞いた。


 すると『アイツらな、盆暮れ正月に帰省したときに亡くなってるんだよ。何でか分かんないけど、規制したときにそうなってるんだよな……で、お前来るか?』


 私はそっと『やめとくよ』と答えておいた。幹事も来ないだろうと思っていたのか、『そうか』と答えた。


 それから今のところは地元に帰っていないのだが、どうしてそんなことが起きているのか訳がわからない。友人達の死因は全て事件性のないものだったので警察も捜査をしていないそうだ。


 気になったのであの頃に何があったか考えたのだが、悪さのようなことはしていない。そこでようやくあの神社に全員で参ったのを思い出した。


 正直古びていたし、大した謂れのある神社ではないと思っていた。しかし検索をすると、その神社は荒魂(あらみたま)を祀っている神社であり、そこは参る人はいるが、慰霊のためであり、願掛けをするような場所ではないと表示される。


 自分の地元にそんな物騒なものがあるのか? そう疑問には思ったが、あの時のメンバーが地元に帰ってから亡くなったという言葉を聞いたらとても実家に帰る気はしない。


 こんな事があったんですが、地元に帰る方法は無いでしょうか?


 そう尋ねられたので、お寺の中でも力のあるところから『護身用のお札を用意してはどうでしょう』と答えておいた。その神社に祀られているのが結構に恐ろしいものだったのでどこまで効果があるのかは分からないがそのメールに返信をした。


 それから少し立った後、『お札をもらって地元に行ったが何も問題が無かったんですが、帰宅後に守ってくれたであろうお札を見ると焼けたように真っ黒になって手に取ると崩れ落ちました、多分俺……行かない方が良いみたいです』と帰って来た。


 とりあえず彼の安全を喜びつつ、世の中には祀っているものが御利益をもたらすとは限らないんだなとつくづく思った。

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