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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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お節介な霊

 その日はネトゲで遊んでいたのだが、ネトゲのプレイ中にメールが来た。幸いパーティ編成していないときだったのでネトゲからは落ちて、メールを読むことにした。


 そのメールによると、現在も奇妙なことが起きているらしい。


 そりゃあ俺が浮気をしたのが悪かったよ、ソレは弁解しないんだがな、なんでそのくらいでこんな目に合うんだよとおもう。


 遠距離恋愛をしていたのが、距離というのは思った以上に問題で、ついつい心がは慣れそうになっているときに可愛い子に付き合いませんかなんて言われたらそりゃあそっちに釣られて何が悪い。


 とまあそんなわけで浮気……というかあっさり彼女との関係を切った。本当に電話にデータ通信機能があってよかったと思う。おかげで後腐れない……と思っていた。


 ソレまで元カノに生活費をたかっていたこともあり、色々と元カノの買ったものやお金をもらって買ったものは処分出来なかった。浮気相手だって気が付いていなかったしいいやと思っていた。


 そうして普通の生活が始まった始まったのだがちょくちょくトラブルがあった。フライパンをコンロにかけたまま忘れていたり、風呂に湯をはっているときに忘れていて溢れさせたりと自分の不注意で片付くこともあるのだが、何故か寝て起きると布団がもう一枚敷いてあったりとなんとも不気味なことが続いた。


 彼女がいる……そんな考えたくない想像が膨らんでいく。怖くなってきたので早々に家具などを処分したい、しかしそう簡単に処分出来ない。何しろ数が多すぎた。


 そのせいで女の子を連れ込めば次の日には二度と会ってもらえなくなる。その理由を皆話さなかったが、その理由は大体予想が付いたので聞かなかった。


 おかげでロクに恋人もいないままだ。元カノに許してもらおうと連絡を取ろうとしたら、どうやら別れて以来消息不明らしい。出来ることならなんとかあって許してもらいたいのだが、ソレがかないそうにないので寺や神社で祓ってもらおうとした。


 だが毎回見てもらった時点で嫌な顔をされた後、『何も憑いていませんよ』と言われた。ただ誰もが自分ではなく、自分の後ろの方に視線を遣ってから、嫌な顔になっているのに気づいている。


 そうなると自分には何かが憑いているに違いないと思っていた。しかしどうしようもないので仕方なくそのまま生活をしている。


 ただ、新しい彼女を作るのを諦めたせいか彼女の霊は優しくなったのかもしれない。夜に喉の渇きで目が覚めると、水が一杯テーブルの上に置かれていたり、帰るのが遅くなったときは料理が用意されていたりする。


 こんな風に彼女の霊にも良いところはあるんですが、どうにか祓うことは出来ませんかね?


 そんなことを聞かれても困るのだが、これを送ってきた彼のおおよその住所が記載してあったので、その近くで有名な縁切り神社を教えておいた。彼がこの先どうなるかは分からないが、人間関係というのは安易に切り捨てるものじゃないなと思ったものだ。

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