表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪談集「暗中」  作者: にとろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

139/152

お土産のモノリス

 その休日は気が付いたら朝だった。前日にPCの前に座っていたと思っていたのだが、気が付くと窓の外が朝焼けになっている。夜更かししている間に気絶したのかと思ったのだが、ちょうどそんな時にメールの通知音が鳴った。


 それを開いてみると、今日が休日であることを知っていたのかと思うようなタイミングでのメールだった。内容は以下のようになる。


 どうもね、納得のいっていないことなんですが、この前実家から帰ってこないかって電話が来たんですよ。いちいち気にしちゃいませんがね、まあいい年だし親の顔くらい見ておこうかと帰省をしたんです。


 帰省ラッシュど真ん中で帰省をするというのがどんなにキツいのか忘れていましたよ、久しく帰省なんてしていませんでしたから。


 まあそんな目に遭いつつ我慢して実家に着いたんです。実家は出て行ったときより随分と古くさくなっているような気がします。でも田舎の実家なんてそんなものかと思ったんですがね。


 実家に着くなり両親そろって出迎えてくれ、懐かしい田舎の味を早速出してくれました。ああ、そういやこんな料理だったなと思い出しながら食べていました。


 別に実家にいるときに何かあったわけじゃないんです。平和に両親からの小言を言われながら過ごしただけです。それで、帰るとなった日なんですが、母親から手土産を渡されました。帰ったら食べなさいと言うんです。見れば地元の銘菓の包み紙に包まれたものが入っていました。


 帰ってからお茶請けにでもするかと帰宅したんです。まあ帰省ラッシュと同じくらい苦労したんですがね。


 そうしてアパートに帰ってくると、包み紙を開けてみたんです。そこで腰を抜かしそうになりました。てっきり銘菓が入っているんだろうと思ったんですが、包み紙だけで中に入っていたのは気持ちの悪いモノリスでした。


 いや……そう思いたかったのかもしれません。実際はその白い板に文字がびっしり書いてあるんです、アレが梵字ってヤツなんでしょうか? 見たことのない文字で隅々まで埋まっていました。


 怖くなってゴミに出そうとしました。新聞紙でくるんで燃えるゴミに出そうとしたんですが、ちゃんと指定のゴミ袋に入れてあるのに理由もよく分からないままゴミ置き場に残されていました。


 今度は燃えないゴミの日にモノリスをそのまま放り込んだゴミ袋をゴミ置き場に置いておくと持って行かれたのか無事消えていました。


 一安心して部屋に帰ったんですが、ドアを開けるときにガタンと音がしたんです。嫌な予感がしてドアポストを覗くと、そこにはあのモノリスが入っていました。


 これは捨てられないんだと思い、ヤケになってそれを捨てるのを諦めました。もういいやと思ったんです。


 それを部屋の隅に置いて生活しているんですけどね、不思議なんですよ。夢を見るようになったんです、それも子供時代のです。


 そんな恵まれた子供時代を過ごした覚えも無いんですが、子供時代の夢なのに、何故か気持ちの良い夢を見るんですね。そんなこと知らないはずなのに地元の夢を見るんです、気味が悪いですが寝覚めの気分はいいんですよ。


 ただね、どうにもアレは部屋に置いておいていいものだとは思えないんですよ。どうにかそういったものを処分する方法は無いでしょうか?


 私へのメールはそんな内容だった。シンプルに送り主が住所を書いていたので、その付近で信用出来る寺か神社があるか探すと、一見の信用出来る寺が見つかったのでそこに持って行くように書いて送っておきました。


 後日、彼からは『夢を見なくなりました、ありがとうございます。ところで、アレを処分してから実家の両親が揃って体調を崩したんですが何か関係あるんでしょうか?』という返信が来たので『関係無いでしょう』と返しておいた。


 現物がなんなのか見てもいないが多分関係無いと思った方が精神的に良いだろうからそう答えておいたのだが、多分それが正解だったのだと思っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ