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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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隅っこにいつもいたあの子は誰?

 あの日、スマホのメッセンジャーに奇妙なメッセージが届いた。それを読んでいるとなんとも不穏な気持ちになった。


 文体が全体的に幼いので読めるレベルにして記そう。


 僕は去年まで友達が居た。幼稚園ではいつも一緒に遊んでいたし、帰ってからは時々家に呼ばれることもあった。仲が良い子供でした。多分この先もあの子ほど仲良くなれる人は居ないと思います。


 そんな風に仲良くしていたのに、どうしてかあの子は名前を教えてくれませんでした。でも友達になったのは本当です。


 あの子の家に呼ばれたときはいつも行っていたのに、あの子の家でお父さんもお母さんも会ったことがないんです。家にはいつもあの子一人だけがいました。


 僕はどうしてあの子と仲良くなれたのかは分かりません。ただ、理由も分からずあの子と仲良くなっていたんです。


 なのに、彼はいつも楽しそうにしているんです。お父さんもお母さんも居るとは思えない家で、あの子はいつも楽しそうにしているんです。


 ずっと楽しそうに幼稚園の隅の方に行けばいつもニコニコ笑っているあの子がいました。でも、幼稚園にいる間ずっとあの子は幼稚園の隅にいたんです。


 皆で広場に集まったときも隅っこの方に目をやれば、あの子はいつもの隅っこでニコニコしているんです。どうして皆集まらないといけないときにそこに居るのかは分かりません。


 でも、あの子が一回だけ泣いているところを見たことがあるんです。幼稚園の卒業式の時にあの子はいつもの隅っこで涙を流していました。アレは誰なんだろうと思ったんですけど、もう卒業をしたので分かりません。


 こうして幼稚園の卒業して、お母さんから携帯電話を買ってもらったんです。お母さんからは使いすぎないようにと言われています、でもあの子が誰なのか気になったので知っていそうな人に連絡をしているんです。


 誰なんだろうと不思議なんですが、結局アレが誰だったのかは分からないままです。ただ、小学校には行ったときに、幼稚園の友達と話をしたんです。みんなあの子のことを知らないって言うんです。


 あの子が誰だったのかはよく覚えてはいないんですが、何回も家に呼んでくれたのであの子は確かに居たんです。でも誰も知らないって言うんです、不思議になってあの子の家へ行ってみようと思いました。


 あの子の家に行ったはずなのに、家が建っていたはずの場所には草がたくさん生えた空き地がありました。ボロボロになっていた看板があって、ずっとそのままだったみたいです。


 あの子は誰なんでしょうか? 知っていたら教えてください。


 おおよそひらがなの大いにメッセージだったのでかなりの改変をくわえている。私は彼に『大人に不用意に連絡してはいけないよ。その子のことは忘れようね』と返しておいた。


 幸いというか続報はないので送信者の子供が平和に暮らせていることを祈っている。

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