二章二話 『勇者①』
忙し過ぎるパル猫です…。ちょっと12月は二週間に一回の投稿になりそうです、ごめんなさい。
王国並の城に王国より綺麗に舗装された街道、夜には王国のように魔道具により街道には明かりが灯る。一介の貴族には有り得ない街を守る結界を張る魔道具。そんな最先端の設備や整備が施された街"アルビオン"、そしてその屋敷の扉を叩く男女が三人。
「我らはパーネル王国所属の勇者であるっ!門を開けぃ!」
それは執務室で書類の整理をしていたルークにまで聞こえて来てルークは頭を抱えた。別に勇者は寧音一人ではない、自分達の時代には10人ほど勇者がいたのだからこの時代にもそれくらい居ても不思議はない。
基本的にこの世界では《勇者》と名乗るのは異世界から転移または召喚、転生した人の事を指し、その誰もが通常では得られない何かしらの能力を得ている。
「この勇者はどちら側か…」
勇者が強くなるには二通りの方法がある。一つ目はルーク達がしたように純粋に魔物などを倒す方法と、二つ目は《勇者》が《勇者》を殺す方法だ。
前者は地道に人々を助けていく、さも勇者の道のりとでもいうように地道にだ。後者はこちらの世界へ来たときに得た相手の能力と通常は得ることの出来ないレベルの成長を得る事が出来る。そして悲しいことに勇者はこちらの世界に来るときにその知識を得ることだ…まるでこちらの世界へ呼んだ誰かがそれを推奨しているかのように…。
――コンコン
「ん?いいぞ?」
「失礼します。」
そう言って入ってきたのは執事姿のセルジオだった。セルジオはあの後獣人の代表を辞めて同じく狐獣人の弟であるルージオに代表を任せて俺の所にきて執事をさせてほしいと頭を下げてきたのだ。
まだ領地の経営などに疎い自分にはとても欲しい人材だったので迷わすOKを出したのだった。
「パーネル王国の勇者と名乗る者達が面会を求めておりますがいかがいたしましょう?」
「大丈夫だ。通してくれるか?」
「分かりました。お連れします。」
そう伝えると一礼してセルジオは出でいく。本当に元大臣なんて思えないほど執事慣れしていることに驚く。
「本当に貴族なのか疑う…―――バァンッッ!」
勢いよく執務室の扉が開け放たれる、そして入り口に立ち塞がる金髪の男が一人に赤髪と青髪の女の子が二人。そして男は勢いよくビシッィ!と擬音が出そうなくらいな指さし…いやジョ◯ョ立ちをして
「我々はパーネル王国の勇者!貴殿を糧として強くなるために来た!さぁ戦え!」
たまにいるんだよなこういうやつが自分が物語の主人公かなんかと勘違いして無謀にも戦いに挑んでくる馬鹿が…。
「断る。帰れ。」
「だが断るっ!勇者なら正々堂々と戦え!」
「…………そうか、そこまで死にたいか…。ならば…」
――強制転移――
強制転移で来たのは帝国兵に炉心溶融を撃ったあの盆地である。まだ炉心溶融の影響でグツグツと煮立ったマグマがある。
「こ、ここは?」
「戦場で使われる盆地だ。全力でやって大丈夫だぞ。」
しかしそんな事より青髪の女の子は気になることがあるようで
「私達を強制的に転移させた?触れずにどうやって?」
「さぁな。勝ったら教えてやる。」
「どうせ魔術でしょ?魔術使いなら楽に倒せるわね。」
赤髪の女の子はそう言って刀を構える。剣ではなく刀からしてこいつも日本の出身っぽいな…。
基本的にこっちの世界の人は刀に偏見があるようで両刃の剣の方がいいと思っているらしい、良し悪しがあるとおもうのだが。
「なら全力で俺達の糧となってくれ。旧代の先輩?」
「はっ!一昨日出直してこい。」
――最禍氷獄――
膨大な魔力がルークを包んだ。
こ、これからだというのに…くっ…殺せ…!




