一章三十一話 『敗国②』
最近気温差が激しいですね。いまだに知恵熱で熱を出すことがあり「何歳児なの!?」と自分にツッコミを入れたいパル猫です。
「さて裏切り者の処理も済んだ事だし次にうつるか。えーっと?姫様だったっけ?ちょっと着いて来てもらえるか?」
「えっ?は、はい!」
そう言ってフィーネの手を掴むと、金髪のチャラそうな貴族が一歩踏み出して来た。
「貴様っ!国の宝である姫に何を…!」
瞬間、部屋(消滅で大穴が開いている)が殺気で包まれる。
「国?戦争には負けて王は殺されたのにか?一応言っておくが貴様ら貴族は全員奴隷だぞ?一部を除いてな。」
その一言にこの場の貴族の顔は青ざめる。流石にさっきの魔法を見てからルークに刃を向けようとする愚か者はいない。
「戦争の事後処理は王族の役目です。そして今この場には居るの王族は私のみです、よって私の権限により今後発言の許可を得た発言以外は事後処理が済むまで私のすること、されることに関する発言は禁止します。」
今更王族の発言力などあってないものだが頭の悪い貴族共には有効的なものでこの場の貴族共は色々と言いたそうではあるが口を閉ざした。
「じゃあ行くぞ。」
「ど、何処に…?」
そのままフィーネの手を引き部屋を出て中央ホール四階から三階へ螺旋状の階段を降りる。フィーネは足がもつれそうになりながら引っ張られているがなんとか着いてきている。
「仕方ないか…。」
「ひゃあ!?」
階段の中腹らへんでルークは痺れを切らしてフィーネを抱える、勿論お姫様抱っこである。フィーネも急に抱えられて驚いて声をあげる。
「え、えっ…と?」
「じっとしていろ。」
「は…いぃ…。」
フィーネとしても状況が状況ではあるがそれよりも今の状況に胸が高鳴るようでその顔は真っ赤に染まっている。まぁルークはフィーネの状況をあまり気にして…いや気付いてすらいないであろうが。
ルークはフィーネを抱えたまま階段を駆け降り、降りた所にある踊場の正面の廊下へと進んでいく。少し進むと黒塗りの重工な扉がありその扉の前でフィーネを降ろす。
「姫様?」
「私にはフィーネという名前がありますのでそちらで呼んで頂けると嬉しいです。もうすぐ死ぬ身でありますし最期の我儘を聞いて頂けないでしょうか?」
「わかった。フィーネ、あとお前は勘違いしている。」
「?。何か言いましたか?」
後半は小さく呟くように言ったのでフィーネには聞こえていなかったようだ。ルークも別に言い直すつもりもないようで気にもせず扉を押しあける。
そこは演説用のテラスに繋がっていて。下には大きな広場が広がっていた。
「今からフィーネには演説をしてもらう。正確には戦争に負けたことと人種の国民にはファルネシウス王国に行ってもらうこと、貴族達は向こうの判断で奴隷落ちかそうではないかが決まる。そして獣人達はこちらで預かる。この3つだ。帝国には賠償金を払って貰わなければならないから敗国奴隷ということになるが。」
「や、やはりそうですよね…。分かりました。出来るかぎりやってみます。」
この世界の奴隷には四種類存在し一般奴隷と借金奴隷、犯罪奴隷、そして敗国奴隷がある。
敗国奴隷とは戦争で負けた国が賠償金を払いきれない時、国民または貴族、王族から奴隷落ちさせる人を決めて賠償金の代わりにするという制度であり。敗国奴隷は基本的には主人の意向に従順だが拒否権も存在する、最低限の衣食住は主人が保証するなど大体が一般奴隷と大差がない扱いを受ける。
そして現状帝国は魔導機械工学の開発で国の金を使い込んでいるためファルネシウス王国に払える賠償金など欠片も存在していないのだ。
「それじゃぁやるぞ。」
「今からですか!?」
そんなフィーネの悲痛な叫びを無視して魔法を帝国のすべての国民に対して発動する。
――強制転移――
次の瞬間、下の広場は国民によって埋め尽くされた。
バトルなんて無いんやで…いつになったらバトルシーンまで行けるのやら…。




