一章二十七話 『貴族だからこそ』
最近豪雨や地震の災害が多いですね。いつ自分の所に来るかと思うとちょっと心配なパル猫です。
今回はちょっと主人公が正気かなと思うところがありますが大丈夫です。
俺とセシアとハイデルの三人で応接室で今後の話をしていると外から怒鳴り声が聞こえて来た。話している内容までは分からないがそれでも聞いていて気持ちいいものでもない。
「外が騒がしいですね…」
「ハイデル。止めて来なさい。」
「はぁ…またザンのバカですか…分かりました。」
そう言って席を立とうとするハイデルに声を掛ける。
「どうせなら俺もついていこう。話したいことは話せたしな。」
というもののもう三時間以上も話をしていて話疲れたというのもある。だってちょくちょく話の間に自分の武勇伝を話しているものなのだ。それにこの二人それを嬉々として聞くからやめるにやめられない。
「そ、そんなルーク様のお手を煩わせるわけには…」
「いいんだ。一応この地を治めるんだし色々しらないこともあるから色々見てみたいんだ。」
「わ、分かりました。ハイデル!失礼のないように!」
「はい!」
なんだろう。この持ち上げられている感?というか崇拝的な何かにしか思えないくらいの気迫なんですが?今後自分の黒歴史を語るのは控えようと心に決めて応接室を出た。
「貴様っ!ここが何処か分かった上で助けを求めて来たのかっ!?」
怒鳴り声の元についた時に見た光景は奴隷の首輪のついた獣人の女の子がちょっと偉そうな騎士の格好をした男に髪を引っ張られながら怒られているところだった。
「ハイデル。なぜ彼女は怒鳴られているだい?奴隷だから?」
「それもあるでしょうが、彼女はヴァレニシア帝国の人間だからですね。しかしここは民を守る騎士達がいる場所助けを求めて来たのであれば助けるのが道理です。」
ハイデルのその言葉には少しだけ怒気を感じた。偉そうな騎士に向けた怒りを感じる。
「ザンっ!貴方は何をしているのです!」
「ハイデルか?なに言ってんだ?こいつはヴァレニシア帝国の人間で獣人で平民のクズだぞ?助けるなんて言い出すなよ?クズはクズらしく貴族の手によって断罪されるべきなんだぞ?」
ザンと呼ばれた騎士のその言葉に俺はプチンと切れてしまった。自分でもそういう事があるのは少しだけ仕方ないとは思っているが平民だからとか亜人族だからとかで差別したりするのだけは許せない。いや許さない。
「ハイデル…アイツは騎士団に要るか?」
「あれでも私と同じ副団長を勤めてはいますが彼の父であるネルソン子爵様の名で着いているだけの職で録に仕事などしていませんね。」
「そうか…」
なら切っても問題ないよね?と心のなかで呟いてハイデルの前に出る。
「だから平民は死ね!」
ザンは俺がハイデルに色々確認している間に独自の理論でも展開していたらしく完結させ女の子を抜いた剣で切ろうと振りかぶっている。
このままでは間に合わない。獣人の女の子も死を覚悟したのか目をぎゅっと瞑っている。
―限界加速―
それを無詠唱で発動させ俺は獣人の女の子とザンの間に飛び込んだ。
ザンの剣はその急な出来事には対応出来ずにそのまま振り下ろされる。
「「あっ!?」」
セシアとハイデルは何が起きたのか理解しているようでしかし今自分達が動いたところで間に合わないその状況に驚いている。
そしてザンの剣は弧を描いて俺の腕へと振り下ろされた。
ザクリとザンの剣が腕を断とうとする感触が感じられる。というより限界加速を発動しているために自分以外のものが遅く感じているのでルークの視界ではザンの剣が自分の腕をゆっくりと断ちながら進んでいるのが見えてしまっている。
しかし痛くはない包丁で指を切った瞬間も痛くはないように剣で切られる時もその瞬間は痛みはない。そしてザンの剣はそのまま進んで行き腕の骨に当たって止まった。あ、今完全に骨にが折れましたね。そこで限界加速を切る。
豆知識だが人間の力程度では剣であろうが骨を断つのは中々難しい。それほど骨というのは硬くなんなら銃弾でさえ通さないこともあるのだとか。
「なっ!?」
「えっ?…あ、あ、あ…」
ザンはなぜ剣が違う人間を切っているのか理解出来ずに驚きの声をあげる。女の子はいつまで経っても来ない剣を不思議に思い見上げると知らない人が代わりに切られているのに目を見開いて驚いている。
「貴様っ!平民のくせにでしゃばる気か!貴様も断罪してくれる!」
「ザン!貴様っ!」
「セシア、大丈夫だ。」
「は、はいっ!」
セシアが勢い余って剣を抜こうとしたため止める。いや今の勢い完全にザンを斬ろうとしてましたよね?一応女の子がいるのでだめです!
「ザン殿あまりに見過ごせなかったので割って入らせて貰った。」
「平民のくせになにをっ!そこをどけっ!小娘の後に貴様も断罪する!それとも貴様が先がいいのか?」
「いいやさせませんよ?ああ!名乗り遅れました。本日よりこのアルビオンの地を治めさせて頂きます。ルーク=レイン公爵と申します。」
切られた腕をだらんと下げながら自己紹介をするなんて初めてだな…それより大切なのはたかだか子爵程度が公爵を斬ったという事実だ。その事実の方が何倍も大切なのだ。
「なっ!?…う、嘘も大概に…」
そう言いながらザンはセシアの方を見るがセシアはもう無理と呆れると言ったように目を反らす。
「この反逆者を捕らえろ!地下牢に幽閉しこの事は王へと報告する!」
その言葉にザンはこの世の終わりとでもいうような顔をしながら他の騎士に連れて行かれた。
「る、ルーク様大丈夫ですか!?お怪我をされて!い、医療班!」
「大丈夫だ。」
―回復―
回復を腕と獣人の女の子に向けて発動させる。俺は右手をグーパーしながらちゃんと動くのを確認したあと女の子の方を向く。
「他に痛い所はないかい?」
「あ、ありがとうございます!大丈夫です!あ、あの!助けを求めて訪ねて来たのですが…!」
「詳しい話を聞こう。セシア、ハイデル、応接室に戻ろう。あと騎士達諸君大変迷惑をかけたなこれはほんの詫びだが楽しんでくれ。」
そう言ってポケットから金貨の入った袋を近くの騎士に渡す。こういったフォローもしておくと後でちゃんと証言もしてくれるし指揮もあがるし一石二鳥だな。
まず応接室に戻り獣人の女の子を座らせる。というか獣人の女の子はここにあるもの全てが珍しいのかひっきりなしに周りをキョロキョロしている。見ていて飽きないのかしかし可愛いので和んでしまう。
「それで何があったのか聞いてもいいかい?」
「は、はい公爵様!」
まず聞いた話をまとめると彼女はヴァレニシア帝国に住んでいたのだが一週間前のある日突然ヴァレニシア帝国の王がヴァレニシア帝国に住む亜人族の人権を剥奪し奴隷へと落ちるように王令をだしたのだとか。そのせいで亜人達の半数は他の土地へと逃げたがもう半数は逃げ遅れて捕まり奴隷なっているのだとか。
よし潰そう。帝国?なにそれ美味しいの?戦争?魔法一つ落とすだけで終わりますし?おすし?
まぁディルには相談しようか。そんなことを思いながら帝国を潰すことは確定させたルークだった。
バトルシーン…あれ?どこに行った…?




