一章二十五話 『幕間ー白崎寧音①』
予定のない休日はだいたい朝からホラーを観ながら寛いでいるパル猫です!
今回のお話は大分短いです!多分次回から戻ります!
――ギルド宵闇亭――
私、白崎 寧音は今年で17歳。この異世界に来て半年になるはずである。というのも私は記憶のない罪を被せられて一度は奴隷にまで落とされた。それを助けて貰ったのはこちらの世界では有名なおとぎ話の勇者様の一人だった。
でもあの話って一万年くらい前の話じゃなかったっけ?と言ってもここは異世界、寿命を延ばす方法なんて沢山あると思う。だって私が召喚された時にこの世界の説明をしてくれたダレン様もそのおとぎ話の勇者様の一人だし…最近会ったときは幽霊だったし…でも既婚者らしいし…うん…そ、それはさておき助けて貰った人、ルーク様っていうんだけど凄くかっこよかった…。
そこで寧音が安静にしている部屋の扉が叩かれる。私の部屋をノックするのは現在は一人くらいだ。
「寧音さん。入ってもいいですか?」
「いいですよ。クラリアさん。」
そう返事をすると獣人の女性が部屋に入ってくる。このひとはここギルド宵闇亭という冒険者ギルド兼酒場の経営者である。もとはリシーさんというエルフの女性が経営していたんだけどルーク様について行くために彼女にギルド長を譲ったのだ。正直に言うと羨ましい…。
「それで、私に御用というのは?」
そうクラリアさんが呟く。私はかねてよりクラリアさんに頼みたかったことを言ってみる。なんだか秘密を暴くようでいやなんだけど…
「えっと………私を鍛えてもらえませんか?」
「……?その…私は戦闘は…ちょっと…」
そう言って目を反らすクラリアさんに追い討ちをかける。
「クラリアさんお強いですよね?多分私が戦い方を習ったこの国騎士団長様より。」
そう言って強い目でクラリアさんを見つめる。逃がさない分かって言ってますよとでも言うように。
「………はぁ…まぁ貴女勇者でしたものね。見る目はあるのかな…?」
怪訝な顔をするクラリアさんは不思議なものを見るような目で私を見つめる。
「まぁ…いいでしょう。ルーク様よりもともと鍛えてくれとは言われていましたので。」
「やった!」
つい口に出てしまったようでクラリアさんも微笑んでいる。しかしルーク様はこれも見越していたのかぁ敵う気がしないなぁ。
「しかし今すぐとはいきませんのでお待ち下さい。ルーク様にはあと一週間を見越して指導してくれと言われましたのでそれまではしっかりと療養してください。」
「わかりました!」
クラリアさんに了承を得たことで内心はもう有頂天だった。これで鍛えてルーク様について行ける。それだけで嬉しかった。
「それでは失礼しますね?」
「は、はい!ありがとうございます!」
「いえいえこれも仕事のうちですので。」
そう言って部屋を出ていく。いつか来るかもしれない彼との生活を考えながら窓の外を眺める。
――アルビオンの地へ向かう馬車内――
「「……!」」
「どうしたんだ二人とも?」
二人が急に見つめ合って頷く。
「いえ、なんだか増えるような気がして…」
「そうだね…マスターならね…」
「いったい何が増えるって言うんだ?」
そんな女の勘には全然気付けないルークなのだった。




