一章二十話 『勇者の帰還』
今年も海にいけないんだなぁと思っているパル猫です!リアルを充実させたいと思いつつも叶わないんですよねぇ…か、悲しくなるので本編どうぞ!
ディルから呼ばれた俺とダレンはディルの執務室にて打ち合わせをしていた。そう、今夜の宴会のことだ。
「ダレン殿。久しいな。ルーク殿も今朝ぶりだ。」
「やぁディルこそ元気そうでよかったよ。」
「今朝ぶりだけど…うん。」
なんだか今朝ぶりというのはあまり喜べない。実際寝ている時に押し掛けたわけだしな、なんだか悪い気がしてしまう。
「ところでダレン殿に話があるのでな。」
「あぁ俺は外にでも…」
「いや。フェリシア。」
「王。お待たせしました。」
「!?」
いま何処から出てきた!?天井だよな!?顔には出さなかったが心の中では『アイェェェェェ!?ニンジャ!?ニンジャナンデェェェェェ!?』と叫んでいる。しかし装いはメイド服という違和感たっぷりなのだが。
「そんなに驚かなくても良いぞ?」
「ははっ、顔には出さないようにしてたんだけどな。」
「まぁそれは生きている経験だな。ところでフェリシア。ルーク殿に今夜の衣装を見繕ってくれ。いつもので頼む。」
「よ、よいのでしょうか?王と親しい方なのでは?」
えっ?この忍者メイドさんはそんなに怖いの?そしてルークは忘れかけていた懐かしい記憶が戻りそうになる。
「よいよい、ルーク殿は分かってくれる。それにそなたも発散させないとな。」
「わ、わかりました!このフェリシア誠心誠意ルーク殿を満足させて頂きましょう!」
ジリジリと忍者メイドさんは寄ってきてがっしりと腰を掴まれて肩に抱えられる。
「えっ!?ちょっ!?まっ!?は、離っ!」
「大丈夫です!任せてください!はぁ!はぁ!」
離れようともがくがこの忍者メイドさんの力が強すぎて離すことが出来ない。筋力だけならイヴにも負けないのにこの忍者メイドさん恐ろしく強い。それに息が荒いのが更に恐怖を呼んでいる。
「ちょっと!ダレン!た、助け!」
「まるでフェリみたいだね?懐かしい光景だ。」
そう言ってダレンは笑っている。フェリ…そうかルークがまだ転移させられた時、当時の王が祝宴会を開くといって当時のメイド長が今みたいにルークを抱き抱えて着せ替え祭りをさせられた覚えがある。そしてそのメイド長がフェリという名前だった。
それでもダレンへの救援空しくルークはフェリシアに連れていかれるのだった。
現在ルークは宴会場のベランダで参加者達を待っている状態であった。
「酷い目にあった…」
そう呟くとダレンに肩を叩かれた。ダレンもディルとの話が終わったようでこちらの様子を見に来たようだ。
「あははっでも似合ってるじゃないか!」
「ダレンこそ幽体の癖に着ている服を変えられるとか異常じゃないか?」
「そんな事言われても出来るものは仕方ないよね?」
そんな他愛のない話をしていると次々と参加者達が会場に入ってきた。みんなただ宴会があると言われていて実際なんの宴会か聞かされていないようで困惑している。
ダレンの回りには沢山の貴族達が集まっている。やはり昔から人望厚いダレンのもとには人が集まる。
そこに青髪の初老の男性と金髪の若い男が歩いてきた。
「ヴェルランド伯爵お久しぶりです。えっとそちらの方は?」
「これはこれはミッドフィル伯爵。それとアルフレッド男爵お久しぶりです。こちらはルーク=レイン。僕の友人です。」
「ほう?ヴェルランド伯爵の友人とな?」
「ん?貴族じゃないのか?何故この場に?」
ミッドフィル伯爵の方は自分を品定めするように見ている、力量を図っているのだろうか?アルフレッド男爵の方に関しては完全に貴族ではないことに見下しているようだ。
けっこうファルネシウス王国は貴族社会であるため貴族達の一般人に対しての偏見が大きいらしくディルも改善を考えていた。
「はじめましてミッドフィル伯爵、アルフレッド男爵、私はルーク=レインと申します。この度ファルネシウス王に招かれこの場に参上致しました。今後ともよろしくお願いいたします。」
「ふむ。よろしく頼む。」
「礼儀だけはなっているようだな。」
正直アルフレッド男爵のような偏見するような人間は嫌いだ。すると会場にディルが来たようで会場が静まる。
「皆のもの此度の宴に来てくれて感謝するのじゃ!この度長らく旅に出られていた英雄が戻られた!皆も一度は聞いたことのある者じゃ!ルーク=レイン殿こっちに」
ふむ。俺も宴会の内容は知らなかったが俺のためだったのか…どうせダレンがいろいろ仕込んだんだろうけど。それを知っててあの態度だから解せない。そう思いながらも壇上へ立つ。
「この方は四天勇者が一人魔法勇者のルーク=レイン殿じゃ。」
その一言に会場がざわめく、それはそうだ。会場の前の方でふわふわと漂っているがダレンも四天勇者の一人だった。それに一万年も前の話で現状それを確認できる人と言えばダレンしかいない。流石に異世界とはいえ通常の人間の寿命は80年あるかないかと言ったところだ。
「そして此度の戦争だがその戦にもルーク殿は一枚噛んでおる。帝国を一撃で沈めた極大魔法はルーク殿の手によるものじゃ。」
また会場がざわめく。王には戦争で俺が手を出したことは言ってないはず…そうかダレンか。多分魔法の質とその兆候でも調べたのだろう、俺の魔法は見る人が見れば一発でバレるほど違いがあるらしい。
「そして此度の帝国との戦争の功績なのだがほとんどルーク殿に渡そうと思うのじゃ。それと一万年の間の王の命よく果たしてくれた。その功績を称えてルーク=レイン殿に公爵の爵位とアルビオンの地をルーク殿に渡すのじゃ!」
ちょっとさっきからディルが一人でかっ飛ばし過ぎて会場の貴族達も追い付いていけないようだ。みんなぽかーんとなっている。そりゃそうだ一平民が爵位を得るのすら珍しいのに爵位の最高位である公爵を一気に得るとは…そこでさっきのアルフレッド男爵が意見を上げる。
「ふ、ファルネシウス王?それはいくらなんでも横暴では?ただでさえ一平民を貴族に上げるだけでも一大事ですぞ?たとえそれが元勇者であっても」
それに賛同するかのように会場の貴族達の半数くらいが頷いている。
「ふむ…しかしな?そなたらであのパンドラの攻略ができるかの?」
「なっ!?で、伝説の存在では!?」
「確かにルーク殿はパンドラを攻略したのじゃ。それは歴代王家の悲願でもあったのだ。それを成し遂げさらに負け戦とまで言われた此度の戦をほぼ単独で打ち勝った。それに対して儂は単に金などで納めさせよと?ファルネシウス王家の名を汚せと申すのじゃな?」
「い、いえ!そう言うわけではありません!出すぎた真似をしました!申し訳ありません!」
流石に貴族であっても王家には反論出来ないようだ。王の発言力はそれだけ強いがディルはそれを圧政には使おうとはしない。だからこそ民に信頼されるのだろうな。
「それでは此度の宴楽しんでくれ!」
次回!ルーク衝撃の告白!こうご期待!
えっ?いやちょっとこういう次回予告っていうのがしたかっただけなんですよ!?まってそんなに温かい目で見ないでぇ!




