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(94)筋肉

 筋肉は疲れると痛くなる。乳酸がたまる・・とかなんとか決まり文句もんくのように言われる現象である。この筋肉は強いそうで、年齢とともに身体の機能が衰えても、きたえることで維持出来るそうだ。いや、そればかりではない。筋肉体質にすることだって可能だそうである。筋肉は強いのだ。^^

 とある筋肉トレーニングのジムである。いつも同じ時間にやって来る二人の会員同士の会話である。一人は、やめた方がいいですよ…と思わず声をかけたくなるような老人、そしてもう一方はエネルギッシュで疲れることを知らなさそうな中年男性だ。

「やあ! おじいさんっ! 今日もお出会いしましたねっ!」

「おおっ! いつもの若いのっ! どうだ、調子はっ!」

「はっ! まあ、おかげと言っちゃなんですが、体調がよくって仕事もはかどってますっ!」

「ほう! 捗ってるかっ! そりゃ、よかった!」

「おじいさんは、どうです?」

わしかっ!? ははは…儂の筋肉は疲れることを知らんっ! 今朝も素振り千回じゃっ!」

「素振りっ?」

「そう! 素振りじゃっ! 剣道の、なっ!」

「け、剣道をやられるんですかっ!?」

「ははは…若い頃は師範で教えとったんじゃがっ!」

「道場かなにか、お開きでしたかっ?」

「ははは…警察の柔剣道場じゃよっ! これでも退職前は署長をしとった!」

「しょ! 署長さんでしたかっ!」

「儂が署長じゃったらおかしいかのう?」

「い、いや、ちっともっ!!」

「ほれっ! この年でこの筋肉じゃ! 疲れることを知らんのう、筋肉はっ!」

「はい、そのようです…」

 中年男性は完全に老人に打ち負かされていた。

 筋肉は年齢に関係なく疲れることを知らないのである。^^


 ※ 皆さん、お気づきだろうか? このおじいさんこそ、言わずと知れた風景シリーズ登場の湧水恭之介氏だ。本日は、特別にご出演を願った次第である。^^


                  完

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