(86)汚(きたな)い
汚いと言われるものの一つにお金がある。お金にモノを言わせて・・とかなんとか例えられる意味があるからだ。むろん、これは心が荒んだ汚い人が使った場合で、普通の人やいい人が使った場合は、どうってことはない訳である。^^ ただ、お金が汚い・・と言えるのは、もう一つの意味で、清潔でない点だ。昨今、世界を席巻している新型ウイルスの感染元不明問題にしたってそうで、実は保菌者の体液や飛沫が付着したまま使われていて…などという、接触感染のつまらない推理を働かせてしまう私である。^^ これが現実だとすれば、テレビの怖い推理サスペンスのドラマより遥かに怖~~いっ!^^
とある街に住む仲のいい友人同士の会話である。
「この前、貸した1,500円、早く返してくれよなっ!」
「ええっ!? そんな金、借りたかよ、俺?」
「借りた、借りたっ!」
「いつっ!?」
「三日前っ!」
「どこでっ!?」
「汚いなぁ~。もう、忘れちまったのかよっ! シラス佃煮定食だよっ!」
「シラス佃煮定食? …あっ! ああ、そうそう!! …まあ、仕方ねぇ~かっ!」
催促された男は財布から、渋々(しぶしぶ)、紙幣一枚とコイン一枚を取り出し、相手の男に手渡した。
「確かに…」
「おいっ!! 手を洗おうぜっ!」
「んっ!?」
「んっ!? じゃねぇ~よっ! 手だよっ!!」
「手!?」
「そう! お金は汚いんだよっ! 誰が触ってるか分からねぇ~じゃねえかっ!」
「…ああ、まあ、そうなるのか」
「なるなるっ! 大なりだっ!」
「そこまで気にするこたぁ~ねえだろっ!」
「感染するぜっ!」
「感染は嫌だっ! 洗う、洗うっ!」
二人はトイレの手洗い場へと疲れる気分で向かった。トイレは、お金以上に汚いというのに…。
汚い…と意識すれば、疲れるのである。^^
完




