(84)緻密(ちみつ)と大雑把(おおざっぱ)
目的とする一つのコトに臨んだとしよう。そのコトに対して緻密に重く考えるか、あるいは大雑把に軽く考えるかでは、自ずとその結果は変化が生まれてくる。その結果の良し悪しがどうであれ、緻密に考えれば心は疲れるし、大雑把なら余り疲れないに違いない。疲れるのが嫌なら大雑把に軽く考える方がいいということになるが、世の中、そんな甘くはない。今日はそんな大雑把なお話だ。^^
とある中堅会社の営業部長室である。朝から部長と部下の営業部第一課長が話をしている。
「どうなっとるんだ、いったいっ! まだ今月の営業成績が半分にも満たんのは君の課だけだぞっ!」
「他の課はどうなんです?」
「第二課も第三課も前月並みを確保したぞっ! この分でいきゃ~、今月は前月同期の1.5倍の売り上げだっ!」
「それはよぉ~ございました…」
「馬鹿野郎! ちっとも、よかぁ~~ないっ!! いいかっ! 1+2+3÷3はどうなるっ!」
「1+2+3÷3ですか? …え~~と。1+2+3
は6ですから、÷3で2ですかっ?」
「そうだよ、2だよっ! 馬鹿野郎っ! そんなことを言っとるんじゃないっ! 君のとこが悪いと、第二課や第三課が良くっても部としてはだっ!!」
「良くないですよね…」
「そうだよっ! 良かないんだよっ! 分かっとるじゃないかっ!」
「となれば、部長の常務昇格も…」
「そうだよっ! 私の常務昇格もパァ~になるんだよっ! 馬鹿野郎っ! そんなこたぁ~どうだっていいんだっ!! もう少し緻密にやってくれっ!
お願いだからっ! いや、お願いしますっ!」
「ははは…私は大雑把な人間ですから?」
「馬鹿野郎っ! 大雑把で笑ってんじゃないよっ! ったくっ!」
「どうも、すみません…」
「ほんとっ! 頼んだよっ! 君に会うと倍疲れるっ!! 緻密に頼んだよっ! 緻密にっ!!」
「はい、緻密にやってみます。常務昇格のために」
「そうだよっ! 馬鹿野郎っ! 常務はどうだっていいんだっ!!」
そう言った部長だったが、本音は常務になりたかったのである。^^
出世するには緻密が要求されるが、その分、倍疲れることになる。^^
完




