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(76)自然体

 自然体で暮らせば疲れることはない。^^ 世間は人の自然体をこわそうと虎視眈々(こしたんたん)とつけ狙っているのだ。^^ それはウイルスのように近づき、人をこだわらせるという手法を使う場合が多い。^^

 とあるラーメン店の店前である。人気があり、多くの人が長蛇ちょうだの列をなしている。

その最後尾さいこうびに自然体で並びながら本を呼んでいる男がいる。

「あなた、よくこんな人込みの中で本が読めますねっ!」

 あきれ返ったように、その男に近づき、後ろへ並んだ男が思わず声をかけた。

「えっ!? ああ…わたしゃ全然、気にならんのですわっ! ははは…」

「気にならない? ああ、そうなんですか…。どれくらい並んでおられるんです?」

「んっ!? ああ、そうですね。かれこれ半時間くらいですかな、ははは…」

 本を読む男は腕を見ながら、自然体でそう言った。

「あと、どれくらいかかります?」

「店に入れるまで、ですか?」

「はいっ!」

「そうですね、いつもは、あと半時間ってとこですかな、はははは…」

 本を読む男は、[は]を一つ多めに、自然体で笑った。最後尾の男は、『こりゃ、疲れる…』

と思えたのか、自然体を捨て、他の店へと立ち去った。

 自然体で待つのが、疲れることからのがれられる最良の道なのである。^^


                  完

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