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(77)熟(こな)す

 こなす・・とは思っていたことをやり遂げることである。当然、やってしまわねばならない…と意気込まなければならないから疲れることになる。^^ やってしまわねばならないことはない…と思えばいい訳だが、世の中、そうは問屋とんやおろさず、熟さねばならない訳だ。^^

 とある片田舎の魚屋である。主人が店頭に並べた鮮魚せんぎょを見ながら腕組みをしている。どうも思案気しあんげな様子だ。そこへ奥から、おかみさんが顔を出した。

「あんた、どうしたんだいっ! 腕組みなんかしてさぁ~」

「なんだ、おっかあか…。いや、なんでもねぇ~んだがな。この魚、売っちまわねぇ~となっ!」

「そりゃ、そうさっ! 売っちまわないと、あんた。払いもあるんだからさぁ~」

「ああ…。そうは言ってもなぁ~。買うのはお客だからなっ!」

「でもさぁ~、熟さないとさぁ~」

「ああ、そりゃ、そうなんだが…」

こころ一つさっ! 売れるっ! って思やぁ~売れるさっ!」

「ははは…お前の言う通りだっ! 一つ、意気込んで熟すとするかっ!

「ああ、その意気だよっ! 熟すさっ! 疲れるけどねっ!」

「ああっ!」

 二人は決意を新たにお客を待ち続けた。その意気込みが通じたのか、お客が一人…また一人とやってきた。熟せたのである。^^

 熟すには、疲れるのを覚悟で意気込み続けることが大事なのである。^^


                  完


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