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(64)旅(たび

 楽しもうと行楽こうらくたびに出た者が疲れて帰宅すれば、これはもう全然、話にならない。^^ 旅は心身の疲れを取り、リフレッシュするための行動なのである。疲れるための行動ではない。^^

 とある観光地のバス停へ一人の旅人たびびとが降り立った。

「まぼろしだけって書いてあったな…。どんなキノコなんだっ?」

 つぶやきながら旅人はトボトボと歩き出した。すると、数分経ったところで一軒の古びた茅葺かやぶきの民家が見え始めた。旅人はその民家へと近づいた。入口の木戸は開いたままになっていた。

「あの…、ちと、おたずねしますが…」

「はい…どなたじゃな?」

「旅の者です。まぼろし茸って書いてましたが?」

「ああ、アレはただのシイタケですじゃ、ははは…。最近は、このあたりも過疎かそになりましてのう。観光客を呼びよります村興むらおこしの手段ですじゃ!」

「ははは…なんだ、そうでしたか。しかしまあ、綺麗な空気が味わえただけで満足ですっ!」

「そげですかいのう。期待外はずれなことで、悪かことです」

「いやいや! そんなことは…」

 旅が期待外れだったとしても、何か新しいことを得れば疲れることはなくなる。^^


                  完

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