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(33)手湯(てゆ)
足湯があるのだから手湯があっても別に不思議ではないだろう。^^ 疲れると、人は、ふと温泉巡りを思いつく。職場で疲れが溜まった人などは特にそうに違いない。まあ、邪な風が吹いて、綺麗どころとの家庭不和になりそうな温泉巡りを思いつく人もいるにはいるだろうが…。^^ その温泉の駅近くに源泉から引いた無料の足湯がある観光地も少なくない。手湯もいいが、手足湯なんかだと、なお一層いいように思えるがどうだろう?^^
とある温泉駅近くである。足湯に浸かる観光客らしい二人り老人が、何やらグダグダと語り合っている。
「いい湯加減ですなっ!」
「ですなっ! 血行がよくなるからですかなっ?」
「ああ、でしょうなっ!」
「ただ、ですからなっ! なんか得した気分が、なおいいですなっ!」
「はあ、さよです…。そろそろ、予約した宿屋へ参りますかっ?」
「そうしますか…、美味い料理と酒が待っとります」
「ははは…待っとるかどうかは分かりませんが、足が軽うなりましたからなっ!」
「手の方も頼みたいもんですなっ!」
「手湯ですか? それもいいですなっ!」
勝手なことを言いながら、二人の老人は予約した旅館へと歩き始めた。
身体や足も疲れるが、確かに手も疲れるのである。^^
完




