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(34)マス・コミ力(りょく)

 私が勝手に名づけた用語にマス・コミりょくという言葉がある。マス・コミとは、言わずと知れたマス・コミュニケーションを短縮した言葉で大衆伝達を意味することは皆さんもよくご存じのことと思う。詳細はテレビやラジオ、雑誌、インターネット、新聞、書籍etc.を駆使して、不特定多数の大衆[マス]に大量の情報を伝達することである。その影響力は計り知れず、60年ばかり前と比較すれば、極端に増幅していることが分かる。結構なことだが、知りたくもない内容、間違った情報などが尾鰭おひれを付けて社会に広がるのは如何いかがなものか…と少なからず疑問に思えてくる。^^

 とある普通家庭の夕暮れ時である。この家のご主人が勤めから帰宅し、ひとっ風呂ぷろ浴びたあと小皿のさかなまみながらビールを飲んでいる。テレビは報道ニュースをアナウンサーが深刻そうな顔で語っている。

『昨夜、○○市の繁華街で夕食用の焼き魚を猫にくわえ去られた主婦が、追っかけていた途中、電柱に追突し大怪我をしました。ただちに病院へ搬送されましたが、命には別状ないようです』

「猫も、なんかなかやるじゃないかっ! …どぉ~~でもいいニュースで疲れるだけだな…」

 ご主人は疲れた顔でリモコンのボタンを押し、チャンネルを変えた。○○市は、この普通家庭からは遥かに離れた県の市で、ご主人には余り関係がなかったのである。^^

 その後、全国各地では猫の盗難防止用グッズが飛ぶように売れることとなった。新型コロナウイルス用のマスクのように…。

 このように、どうでもいい内容がマス・コミ力でウイルスのように蔓延はびこれば、人の心は疲れることになる。^^


                   完

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