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ゴーレム探索

「陛下。ゴーレム盗難の犯人はエドワード二世派の残党らしいのですが」

「ああ?誰だ?その男は?」

リサ陣営にはすっかり忘れ去られていたが、日本を侵略した下手人だ。

最近冷遇され続けて、リサ姫への不満を募らせていたのだろうか?

「そんな事今更言われても、どうすればいいんだろ・・・」

エドワード二世を呼びつけたら、粛清を疑って反乱を起こすに決まってる。

「キートン殿にあの男を押し付けてしまったらどうだろうか?」

厄介払いがお金になるならこんなに素晴らしい事はないだろう・・・。

「あの。何故俺が呼び出されたのだろうか?」

事情は聞いてるので、呼び出された理由は分かるが、俺はエルザス帝国の辺境都市で、大人しく余生を送っていたのだぞ。

「リサ姫は許すと言ったじゃないか。今更俺を反逆罪で処刑するのか?」

いやそうは言っていないが、例え冤罪でも容疑がかけられたからには、大人しく命乞いしてくれないと、本当に処刑する事になるぞ。

「ああ。要するに冤罪だと言いたいのか?別に疑ってはいないが、讒言する者がいるからには、一応聞いておかないといけないのだよ」

エドワード二世は、物凄く憤慨して、リサに迫った。

慌ててリサの部下がエドワードを取り押さえる。

「そう怒るな。私の見識が甘かったようだ。許してほしい」

「俺が今更反乱を起こして、何がどうなると言うのだ?ゴーレムを盗み出したのは、南部の過激派だろう」

ラビットの調査でも、犯人はエドワード派の組織と報告されている。

「兎に角俺はやっていない。俺が殺されるのは仕方がないが、娘のエミリーだけは、殺さないでくれ。お前だって人の親だろう?」

こいつはこの慈悲深く聡明な私が、罪もない男を簡単に処刑すると思うか?

いっそ、キートンに寝返って、リサ姫に逆らう勢力になろうではないか?

そうなれば、リサに殺されずに済むかも知れないぞ。

「安心しろ。絶対に殺す事はありえない。そなたは無実なのだろう?」

下手な事をすれば、永久に無実は晴れないぞ。

リサ姫は案外鬼畜だと、エドワード二世と側近達は思った。

協力を拒否すれば、エミリーは殺されるかもしれないと思い込んだ、エドワード二世は、リサに協力を誓うと、早速囮になって偽情報を敵に流した。

「何だと?エドワード二世陛下が我々に協力するだと?間違えないのか?」

エドワード二世の側近を自称するラビットの言葉に、ゴーレムを盗んだ過激派は、警戒したが、仮にラビットが敵ならアジトはばれてる事になる。

「敵は奪ったゴーレムの売り飛ばし先を知りたいんじゃないのか?」

「あんなものギルドに売り飛ばしたに決まってるじゃないか」

ゴーレム技術など持っていても俺達には関係ない事なのである。

あんな物持っていても、重いだけだからさっさと売り飛ばしたわ。

この情報を過激派を内定して、入手すると、6月1日に敵のアジトを改めて襲撃して、過激は組織を未然に一網打尽にすることに成功した。

反乱は、力をつけないうちに刈り取るのが基本であるので、容赦はしない。

「俺達はゴーレムを盗んだだけで、反乱など計画していない」

「する心算だったけどあんたに鎮圧されたじゃないか」

エドワード二世残党の反乱は、あっさりと鎮圧されたがゴーレムは見つからないので、探し出して、ギルドとやらも潰さないといけない。

「リサ陛下。敵はキートンに技術を売りに行ったのではないでしょうか」

シリアスは、折角独立出来たのに、リサの機嫌を損ねて戦争になりたくないから、ギルドからゴーレムは買わないと思う。

だがキートンなら話は別だ。

あの謀反人は、多分大喜びでゴーレム技術を買うに違いない。

候補生3人が、帝都から逃げ出したのはいる必要が無くなったからだろう。

「あのキートンの奴。どこまでも狡猾で用心深い男だのう」

リサはキートンを信用していないが、利用はする心算だった。

今戦っても、勝てる見込みは全くないので、手懐けるしかないだろう。

「あのキートンを国王にしたのは、リサではないか」

そんな事を言った部下はリサとシエルに物凄く怒られ理不尽な目にあった。

キートンを倒す為の武器は、エルザす帝国にはもはやお金しかない。

お金をばら撒いて、キートンの兵を買収すれば、キートンの兵を弱体化させる事が出来るだろうし、キートンの首を取る事が出来るかも知れない。

ファーリの復讐が怖いので、首を取るなら、ファーリも討ち取ってほしい。

「キートン様を討ち取るのは、物理的に不可能ではないでしょうか?」

エルシリアとファーリがいるのに、キートンの首を討つなど無理である。

ファーリだけ生き残って、ダイヤの都が火の海になる可能性が高い・・・。

「リサ姫。本気でキートン王国と和解した方が良いと思いますよ」

リサの部下は、キートンとの和解を勧めるが、リサはその気はないようだ。

キートンを生かしておけば、増長して何を考えるか分からない。

「そんなの自業自得じゃないか」

リサの部下は全会一致でそう思うが、リサ本人はそう思わなかった。

「リサ姫。今なら間に合います。キートンに降伏して王侯の位を保つのが、もっとも懸命な生き方だと思います」

私もそうは思う。

キートンに降伏すれば、エルザス王の位は保てる事だろう。

本気で戦って、今のエルザす帝国ではキートン王国に勝てそうになかった。

「今月の税収は、650億ディルスです。降伏する前にキートンの部下を買収させてください。必ず戦果を挙げてごらんにいれます」

部下のリピームが、キートン王国に最後の猛反撃を繰り広げる事にした。

だが6月3日になっても、エルザス帝国に寝返る兵は1人もいない。

逆に8人のエルザス兵が、貴重な武器と共に、キートン王国に寝返った。

「金で買収工作を仕掛けてきてるのは、キートン王国も同じようですな」

キートン王国の財政力が何気に高いので、エルザス帝国はアンドロメダ星雲の惑星経営の収益まで、地上に投下して買収にあたっている。

この任務には、シリアス政府を採用して、信用しているところを見せ付けてみたが、キートン王国には効果がないようであった。

「ゴーレムはどこにいったのだ?何としても探し出せ」

キートン王国の今月の収入は、脅威の7億ディルスだそうである。

最近キートン王国では、海軍力を強化して海賊の討伐に力を注いでいた。

山賊はキートン王国の兵に、無条件で採用されるので人気の商売である。

「そうか。キートン王国の貴重な収入源が海洋交易だものな」

革命政府を通じた、シリアスとの交易が、キートン王国の収入源の1つであるので、海軍力は強化しておかないと非常に困るのだ。

邪神教徒の移動魔法に頼りきりで、海軍力を軽視したエルザス帝国とキートン王国は、この辺が違うところである。

「ゴーレムを買った大商人を逮捕いたしました。我々のゴーレムを買ったのは間違いありませんが本人はエルザス帝国の物とは知らなかったそうです」

「ゴーレムだけ取り上げて、商人は解放してやれ」

技術の漏洩はかろうじて防がれたので、商人には寛大だ。

売ったギルドは強制的に解散に追い込まれ、住民は非常に困る事になる。

「皇帝陛下。キートン王国など無視して、我々の生きる道を探しましょう」

キートン王国の配下である前提でであるが、今降伏したらキートン王国の貴族として、名声を得る事が出来るだろう。

人間諦め時が肝心だな。

もう皇帝でいられる日も残り少ないのも分かっている。

私は元々病弱だし、そろそろ譲位してリサ公爵領に引き篭もるべき時だ。

「キートンと話し合いをしてみようと思う。だが奴が信用するかな?」

今まで嫌がらせを続けてきたからなぁ。

キートンが話し合いに応じない可能性が極めて高いだろう。

今まで散々嫌がらせを行って来たからなぁ・・・。

警戒して、キートン王国から出てこない可能性もある。

「大丈夫ですよ。キートンが決心する前に部下を説得するだけだ」

大体たった3人でネトゲ廃人のティミッド部隊を壊滅させる軍隊と戦って勝ち目などあるものか。

譲位してリサ公爵領でのんびり静養してた方がはるかにマシだ。

「フォートレス。今度は本気だが、私は譲位しようと思う」

フォートレスもリサ政権が長くないのは、分かってるようだ。

これだけ反乱が多い政権も珍しいからな。

「それも良いでしょう。でも念の為帝都の割譲から始めるべきかと思いますが、どうでしょうか?いきなり政権投げ出したらエルザスに内戦が起こりますので」

リサは気紛れな人だったが、キートンの台頭であっという間に終わったな。

「キートンに伝えておけ。リサは譲位の意思があると」

建国22年でついにエルザス帝国がキートン王国に吸収合併される・・・。

リサの部下達は、譲位の意思を知ると、全員がうなだれた。

まさかキートンを侮った御蔭で、リサ姫が譲位に追い込まれるとは。

「我々はまだ戦えます。キートンと戦うようにお命じください」

「最後の1兵まで抵抗してご覧にいれます」

私は忠義な部下に恵まれたようだ。

心配するな。

どうせキートン王国の武力ではエルザス帝国を支配出来ないから、私をキートン王国の宰相に任命するしかなくなるだろう。

「でもリサ姫がキートン王国の配下になると、あのファーリが国軍総司令官になるのですかね?ファーリが同胞のドラゴン兵団を配下にしたら、リサ姫は二度とキートン王国に逆らえなくなりますよ」

どうせ娘は、キートンの家臣だから、エルザス帝国は1代で終わる。

私は病弱だから、いつその日が来るのか予想出来ない。

「私の元気なうちに、この国をキートン王国に譲り渡してやる」

だが只では譲らんぞ。

ルーシェリーをキートン王国の共同皇帝にするのが条件だ。

キートンが死んだら、帝位はルーシェリーに返還する条件である。

「流石はリサ姫。悪知恵だけは天下一品だ」

部下がお世辞を言うが、リサは憮然とした。

おい。

喧嘩を売っているのか?

「褒めてるんですよ。リサ姫の懸命なご決意により、エルザスの民百姓が救われます」

「これで戦いのない平和な時代が訪れる・・・」

部下は先行きが不安だったが、戦いだけは回避出来そうな気がしてきた。

リサ姫が本気なら、今度こそ平和な時代が訪れる事であろう。









1時代が終わりましたねぇ。

駄文に付き合っていただいて本当に有難うございます・・・。


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