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キートン飼い犬化計画

2月3日にキートンにジーク村とギニア港の領地返上を命じる事になった。

代わりにキートンには、バッタ村を新たな領地に与えられる事になる。

「断ったら、バッタ村の同胞に怨まれるだけじゃないか」

キートンはアッサリとバッタ村を取り戻す事に同意して、即日領地を引き渡し、バッタ村の領主に就任すると新たに雇った兵Aを太守にする事にする。

キートンは別にギニア港に未練は無かったが、バッタ村には未練があった。

キートンは2月4日に、バッタ村に邪神教徒の魔法でやってくる。

「キートン様が俺らの太守として帰ってきたぞ。キートン様万歳~」

「我らが真の太守はキートン様の他にはいないぞ」

バッタ村の民衆は、金持ちを中心に豚祭にて、キートン一行を歓迎した。

「あのエルシリアの嬢ちゃんとドラゴンの嬢ちゃんは来なかったのかい?」

キートンはこの2人を連れて来なかったが、村人はちゃんと覚えていた。

「ファーリは冬眠中だ。エルシリアには西方を任せてある」

その言葉にバッタ村の住民は熱狂したが、キートンは豚肉を食べながら、住民のお世辞を聞くにとどめておいた。

いつまた、リサの気紛れで領主を解任されるか分からない。

「出世したんですねぇ。俺達はリサの領民に戻ってからサッパリですよ」

住民は不景気そうな顔でキートンを見たが確かに好景気には見えなかった。

あの無能皇帝は、本国以外の領地経営は全く持って下手糞だ。

「心配するな。リサに領主を解任されるまで好景気は続くだろう」

キートンは安請け合いをしておいた。

嘘も方便。

こんな戯言で領民の購買意欲が高まるなら、俺は平気で嘘をつく。

大体景気は良くなるんだから、俺は嘘はついていないとも本人は思ってる。

「キートン様万歳~」

「国王陛下万歳~」

2月5日。

バッタ村の購買意欲は驚異的なスピードで向上していた。

バッタ村の住民は、キートンが領地を治めれば好景気になると、硬く信じている。

人口も、イナゴ村から2万人の難民が訪れ、8万に膨れ上がっていた。

「暫くこの村に留まらないと、バッタ村は立て直せないな」

難民流入で困るのは、いつも仕事なんだよな。

取り合えずネズミ退治でもやらせておくか・・・。

リサ派の太守は、ロクにネズミ退治をやらなかったようで、下水道が魔物の巣窟である。

無責任な領主だぜ。

キートンは怒り狂っていた。

リサにチクってご機嫌を伺っておこう。

翌日前太守は、西方辺境の公国島に左遷させられた。

よしこれで、前太守が怨むのは、俺でなくリサ姫だ・・・。

「うむ、ご苦労。これからも忠勤に励めよ」

リサは偉そうにキートンに宣言すると、最近の領地経営について尋ねた。

「御蔭さまで何とか経営しておりますが無能な太守が西方には多いですな」

リサの直属の太守が、キートンの命令を聞かずに勝手な事をするケースも多かったので、リサには何とかしてもらいたいと、要求した。

キートンが太守を任命出来るのは、西方の僅かな地方である。

「そんな事まで面倒は見切れないな。キートン殿。そなたには王位まで与えたのであるぞ。自力で何とかせよ」

リサはキートンに5千ディルスを与えると、キートンを黙らせた。

これからは、キートンが文句をいう度に、金貨を恵んでやる事にしよう。

2月7日に、キートンは大規模な組織改革を断行した。

命令を聞かない太守には、給料を減らす処置を施したのだ。

「何だと?リサ姫の権限を妨害するのか?この腐れ国王は・・・」

腐れ国王ねぇ・・・。

こんな戯言を言う奴を野放しにしておくと、それこそリサの西方での人気が低下すると思うんだが、どうだろうか?

給料を下げる事は国王の権限でも可能である。

なら最低賃金しか支払う心算はキートンにはもうなかったのだ。

「キートン様。俺が悪うございました。今度は命令に従うから給料を元通りに、いえ、8割で結構ですから支給を再開してください」

こうなっては、所詮部下の立場ではキートンに従うしかなくなる。

一部の太守がリサに訴えでたが、大半がキートンに従う事にした。

抵抗した一部の太守は、経済難から財産を失い、失業を余儀なくされる。

「リサ姫。黄金でございます。俺の忠誠の証と思ってください」

キートンがここぞとばかりに、リサにミスリル硬貨をプレゼントした。

リサもこの飼い犬化した、キートンのゴマすりを受け入れる事にする。

ここでキートンをたしなめると、キートンを怒らすかもしれない。

「都の税金を一割上げる事にしよう。復興資金を自腹で調達出来ない状況では西方の経営上、非常に困るからな」

キートンはリサにゴマをする為に、都の税収を収入の1割と定めた。

キートン村Aの税金は、2割とする事になる。

「この税制は不公平だ・・・。リサにゴマするのは出来れば止めてほしい」

この税金は、実際のところ、リサにゴマする為に軍資金である。

それなら寒村に税金かけろと、キートン村Aの民は思ったが、口にはださないので、キートンには民の声は届かない。

「キートン様。本当にいいんですか?どうせ税金かけるなら寒村にかけるべきではないですか?村民を説得する任務に当たらせていただきます」

エルシリアはこの時から3日かけて村民4万人を説得してこれに成功した。

2月11日に、寒村の税金は収入の一割と定められる。

凄く文句を言われ、デモ行進が行われたが、寒村から逃げ出す村民は奇跡的に出なかったので、税金収入の見込みを精査する事にした。

「何とか増税に成功しましたねぇ」

数ヶ月は不景気が続くぞ。

村民の買い控えが起こるんじゃないか?

「今のところは大丈夫です。高級品の消費が、若干落ち込んだ程度です」

しかし寒村への難民の流入が、税金をかけたとたん、ピタリと止まった。

観光客が減少して、その辺から不況が始まる事になるが、気にはしない。

「資金洗浄が出来なくなるな。南部の村にいくか?」

南部の村Aは、寒村を真似してリサが無税を宣言した経済特区である。

人口500人位の村だったが、無税を宣言した翌日8千人に増加した。

今は2万人位の人口である。

「そんなに税金支払いたくないのか?お前ら・・・」

無税の村の御蔭か、物価も安いから、軍需物資が安く調達できるし。

税金をかけるより、無税にした方が安く済むのだ。

「キートンが我らに媚びて寒村に税金をかけたからには、無税の村はこの南部の村Aの方が優勢になるでしょう。ところでこの小麦安いですねぇ」

フォーとレスとルーンの表情が明るくなってきていた。

最近軍需物資の価格高騰に頭を悩ませて来たのだ。

「この物価の下がり具合なら、シリアス全域を経済特区にして自治と無税を認めても良以下も知れませんね。シリアスの規模ならエルザス帝国の軍需物資に使う費用を、大幅に節約出来るでしょう。

税金を無税にしてシリアスの権益を全て手放せば、エルザス帝国に反乱など計画する事もなくなるだろうと思うが、フォートレスはどう思う?

「名案ですな。エルザス帝国の軍需物資の費用が節約出来ます」

物価が安い事が前提条件だが、無税と自治を認めても良い。

この決定はシリアス全土に駆け巡り、リサの支持率が98%を超えた。

この条件で反対派に回る人間は、少数派だ。

大人しく待っていれば自治が与えられ、無税の国になるのに、反乱を起こして、リサの機嫌を損ねる馬鹿な奴もいないだろう。

「物価を出来るかぎり安くするのが前提条件だそうだ」

「薄利多売で儲ける方式でしか、シリアス自治政府では金儲け出来ないな」

全く。

リサがもっと早くこの方式を思いついてくれれば、流れる血も少なくて済んだんだろうにな。

だが無税なら、稼いだだけ自分の収入になるのである。

やりがいのある国になりそうだな。

「リサ姫万歳~。エルザス帝国に栄光あれ」

2月14日。

独立を祝う大宴会がシリアスの各地で執り行われた。

「リサ姫は何でいきなり、我々の自治を認める気になったんでしょうね?」

懐疑的な声も大きく、その辺りではリサの奇行を怪しんだ。

「限定的になら、セクハラ反対派の主張を認めるそうです」

リサは国内の学校で、ブルマ、スク水を採用してる手前、下wんていてきにしか認める事が出来ないが、セクハラ反対派が主張を布教する権利は認める事にした。

コスプレイヤーには住みにくい国になりそうだが、もうしょうがない。

20年もエルザス帝国に馴染ませようと努力したが無駄だった。

シリアスも西方も、隙あらば反乱を起こそうと機会を狙っている。

「分かってると思うが、反乱を起こしたら問答無用で自治を取り消す」

分かってますよ。

反乱を起こしてリサの機嫌を損ねる馬鹿がどこにいる?

やっとセクハラ反対派の楽園をこの国に作る事が出来ると言うのに。

「リサ姫もどうせなら祭りに参加してください。心配しなくてもここでリサ姫を暗殺するほど、俺達は落ちぶれてはいませんよ」

そんな事をしたら、怒り狂ったエルザス帝国に皆殺しにされるだけだぞ。

「私は酒を飲めないから、オレンジジュースを頼む。水でも良いぞ」

「分かりました。特上の水を用意させましょう」

キートン飼いならし作戦の1つとして、祭りの費用を西方に注文させた。

シリアスは比較的火山噴火の影響は少なかったが、西方の繁栄に貢献するのも、独立の条件の一つである。

エルザス帝国の利益にならないなら、独立はいつでも取り消すからな。

「・・・」

リサ姫は警戒を解かずに、兵を数名護衛させていたが、この護衛が酒で買収されていた。

「お前らシリアスに買収される気か?」

あっさりと友好モードになった護衛をリサが叱るが、護衛は酔っていた。

駄目だ。

この護衛はもう使い物にならない。

自分の身は自分で守らんと。

「リサ姫。シリアスの民も良い人達じゃないですか」

セクハラ反対派と仲良く宴会を楽しむ日が来るとは思わなかったな。

因みにセクハラ反対派の用意した踊り子はブルマ娘だった。

セクハラ反対派も、精一杯の歩み寄りを示してる心算らしい。

どう考えても、リサを怒らせたらセクハラ反対派が損をするからだ。

エルザス帝国とシリアスとの和平が、この日成立する事になった。





歩みよりは大切です。


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