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内応工作

火砲1をティミッド0に持たせて、アポロン1の攻撃を防ぐ体制作りが行われていたが、あの装甲の厚いアポロン1を打ち破れるかは未知数だった。

有難い事に、キートンが魔法燃料を多少だが自発的に提供してくれてる。

状況が状況なだけに、不信感を拭い切れないが、一応感謝する事にした。

リサはお礼のディルスを相場の2分の一だが、キートンに送り返した。

キートンとしても、リサがそれなりに感謝してくれるなら問題ないと思う。

軍役は拒否するが、商人としてなら補給を送る意思表示の現れだ。

「この好機に反乱を起こさないのは、殊勝な心がけだ。感謝しておく」

リサもこの反乱を押さえ込む為に、色々と内応工作を行わせていた。

金で片付くなら、一億ディルス支出したって惜しくはないが・・・。

この状況でこちらに寝返るなら、西方太守の地位を約束しても良い。

「本当か?西方太守の地位を本当にくれるのか?流石は太っ腹だな」

キートンとエルシリアとファーリ以外のエルザス人にはリサは信用されていたが、この大盤振る舞いには驚き呆れて周囲の人間と相談する羽目になる。

「キートン様を西方の太守にするなら、エルザス帝国に従っても良い」

「そうだ。キートン様に西方を与えろ。その条件以外は飲まぬぞ・・・」

最近西方で、キートン派が何故か増えていたが、これは彼の人徳だ。

キートンも、8月の税収と寄付金が90万ディルスに跳ね上がった事により気前良く住民に分配して、人気取りに勤めている。

「だから私の地位が奪われると、不安に思っているのが分からんのか?」

最近欲に目がくらんだリサより、キートンの方が名君に見えるのだろう。

それ故にリサとしては不安なのであるが自分の地位ならどうなっても良い。

そりゃ権力は、ないよりあった方がいいが、簒奪者は必ず帝位を追われる運命だろうとリサは思うから、その辺は気にしない。

私は娘のルーシェリーに後を継がせたいのだ。

エリーを共同皇帝にするなど、血迷った。

予言の英雄よ。

早くこの邪悪な簒奪者を倒しにダイヤの都に訪れると良い。

まあ西方に倒される気はないが預言の英雄になら倒されても仕方ないのだ。

よってキートンなどに倒される訳にはいかない。

だがリサは、キートンの才能にも未練があった。

ルーシェリーの宰相として、飼いならせないかと実は考えている。

「そのようにお考えだったのか?ならば話し合えばよいではないか。キートンを位で飼いならせるか、試してみるのも一興だろう」

シエルがリサに追従する形で話し合いを提案してきた。

キートンを味方につければ西方の反乱が平定出来るかもしれない。

このままでは西方どころか、南方まで毟り取られてしまう。

「そうだな。話し合わないと、いつ反乱軍に虜にされるか分からない」

それよりはキートンを飼いならした方がはるかに安上がりだ。

万一謀反の兵を挙げた時は、天命と思い諦めよう。

「こうなったら手段は選んでいおられない。キートンに西方太守に任命する勅命を下すように。出陣しやすいように、商業都も与える」

リサは長年の宿敵と和平する決心を固めた。

多分今度はキートンを止められないが、西方に倒されるよりはマシだ。

キートンを飼いならす努力をしてみよう。

リサはシエルに命じて、イナゴ村のキートンに勅命を下した。


「俺が西方太守だと?俺の反乱を警戒していたのではないのか?」

余程西方共和国の脅威が物凄かったのか、最近のリサは手段を選ばぬ。

「お前を飼いならす努力をするらしい。謀反する気が本当にないなら、勅命に従って、西方を打ち滅ぼせ」

そんな事いきなり言われても困るんだけどな。

軍事力は2万しかいないんだぞ。ファーリも寒村に派遣して連絡不能だ。

せめてファリ様が指揮下に入れば、何とかなるかもしれないが。

「黒土平原を指揮下においてよろしいか?」

ファリの強大な能力に頼らないと、西方共和国には勝てない。

「構わんぞ。エルシリアはエルザス帝国で面倒を見たいとリサが言ってる」

断固拒否する。

キートンは強硬だった。

俺の可愛い部下を今更リサに引き渡したり出来るものか。

「そうか。無理強いはするなともリサ姫は言っていた」

大体エルシリアは何者なのだ?

「シエル様。お久しぶりです」

フードを被っていたエルシリアが、フードをとってシエルに挨拶した。

「成る程。それでリサ姫の優柔不断な態度の訳が分かった。

エルシリアに危害を加えられるのを恐れて、手を出せなかったのか。

「キートン様に従っているのは私の意思です」

「まさか預言の英雄の伝説が、神の使途ではなくリサ姫を敵としていたとはな。我々はリサ姫を打倒する勢力を育成する事に力を注いできた訳か」

エルシリアもその辺は分かっているが、出来ればリサに敵対したくない。

「リサ姫に敵対する心算はありません。キートン様も同様です」

これは無実の罪なのです。

我々は今でも、リサ姫の忠実な臣民である心算です。

「100歩譲って、その言葉が真実だと認めよう。だがそれが本当なら、お前達はリサ姫の飼い犬になるしか、生き延びる術はないぞ」

分かってるさ。

でもイナゴ村の純益から考えると、飼い殺しも悪くないんだよなぁ。

「俺の武力で西方を討伐すればいいんだな?兵力を集めるから暫く待て」

いや、今直ぐ挙兵してくれないと困るんだが。

エルザス帝国が、恥も外聞もかなぐり捨てて、お前と和解する訳は大体察しがつくと思うんだがな。

「そんな事言っても、軍備が整わなければ出陣は出来ない」

特にゴーレム兵器が重要である。

最近の戦争は、ゴーレムが主力なので、歩兵だけで出陣など出来るものか。

「分かった。国境守備隊を奇襲してやる」

別の本当に奇襲する必要などない。

噂を流せばいいのである。

上手くいけば、アポロン1が数機こちらに派遣されてくる。

後は手薄になった西方共和国の陣地に、夜襲でもかければいい。

夜襲なら、アポロン1は同士討ちを恐れて、火砲が使えなくなる事だろう。

「成る程。お前は頭が良いな。早速エルザス帝国の反撃をさせてもらおう」

その前にギャンに、オリハルコンの強化籠手を用意させておかないとな。

アポロン1を殴りつけて勝利出来るように、ゴーレムの腕のパーツを強化して、敵兵にのぞまないといけない。

「最後のチャンスだぞ。反乱の容疑が誤解だと言い張るなら、功績を立てて役に立つ人間である事を、証明して見せよ」

反乱の討伐などで、忠誠が示せるなら、安いものだとキートンは思った。

西方の民には難儀な事だが、俺の出世の為に西方には犠牲になってもらう。

怨むなら、物価高位で反乱を起こした謀反人を怨め。

俺だって西方でゴートンの悪政と戦っていたが、何とか生活は出来た。

西方に来た時は、ほぼ無一文であったのにである。

ゴートンだけが悪い訳ではないと思う。

文句があるなら、リサに直訴する手段もあった位だし。

この国では、直訴した者は死刑などと言う法律はない。

実際西方の実情を知ったリサが直接統治にやって来た事もあった。

時既に遅しで、反乱を誘発する結果に陥ったが。

「そう思うか。私はお前を誤解していたようだな」

取り合えず酒で歓迎をされたシエルは、キートンに対する警戒を解いた。

リサの為に、私が警戒を解かないとキートンは出兵しないだろう。

「そうか。分かってもらえて嬉しく思う」

キートンも、シエルにお世辞を言っておくが、案外効果的だ。

「最近のリサ姫は自分の地位にも未練があるから、問題ない限りは、徹底的に媚びる事が、地位を保つ手段である」

西方では統治に失敗したが、それ以外の領地でのリサの人気は悪くない。

だからこそキートンに西方を任せれば、飼い殺せるとリサは思った。

私もキートンを飼いならす努力をしないといけない。

多分私とリサさえキートンに妥協すれば、反キートン派は抑えられる。

「内応工作でこちらに寝返りそうなゴーレム乗りは何名いる?」

キートンが尋ねてみた。

寝返りの当てがあるなら、さっさとこちらに寝返らせてほしいのだが。

「5名だな。肝心な時まで泳がせておく心算だ」

キートンには言わないが、謀反がばれてゴーレム乗りが処刑されれば、不安に思ったアポロン1のパイロットが根こそぎ降伏するだろう。

その時に厚遇してやれば、敵ゴーレム部隊をほぼ無傷で手中に収める事が出来るのだ。

自らの手を汚さずに敵兵を弱体化させるのは、リサの好む戦術である。

勝てる見込みがないからには、セコク立ち回る必要があるのだ。

「何とかして見せるから、お前はエルザス兵の夜襲部隊に加われ」

キートン派反乱の噂を西方にばら撒いて敵軍が動揺したところを夜襲する。

そして寒村の兵で退路を断てば完璧だ。

それで勝てないならエルザス帝国の落日は早く来てしまうだろう。

早速キートン派蜂起の噂が西方全土にばら撒かれた。


「キートン派がついに蜂起したか。寒村攻略をするか?」

西方共和国に取り残された寒村が、攻撃の対象になる事は、分かっている。

エルザス帝国の補給もあって、火砲1が寒村各地に配備された。

「西方共和国のゴーレムに飛行タイプがないのが救いですねぇ」

御蔭で制空権はエルザス帝国が保持している。

ディールギス1もティミッド0も飛行タイプのゴーレムだ。

「己。何故真一は飛行タイプのゴーレムを造らない?」

飛行タイプのゴーレムを量産出来る素材と技術が西方にはないだけだ。

真一は西方都の塔に幽閉されていた。

「街の住民を皆殺しにすると脅したら、あっさりと協力をしてくれるんだからな。だが飛行タイプを造らないのは何故だ?時間稼ぎをするようなら」

「お前らには最強のゴーレムを造ってやっただろう。俺にはあのゴーレム以上のゴーレムは造れないぞ」

アポロン1の機動力と破壊力は最強の筈だ。

事実エルザス軍を圧倒して、ダイヤの都まで西方軍を進出させた。

これ以上何が望みだ。

「言っておくが、ディールギス0やティミッド0を造っても、ここの素材では、エルザス帝国のものより強いのは造れない」

俺がエルザスに遠慮して、ゴーレム造りをサボってると思うなら心外だ。

ちゃんと最強のゴーレムを造ったのだから、文句は言わないでくれ。

「当面の問題は、寒村をどうするかだ。お前のゴーレムでファーリに勝てるか?それが知りたいのだが、正直に答えよ」

「街を灰にする気なら何とか勝てるだろうと思う」

真一は素直に答えた。

捕虜は敵軍の命令を素直に聞く義務がある。

「忠告してやるが、アポロン1は、寒村襲撃に使わない方が良いぞ」

ファーリの魔法でアポロン1に対抗出来るか分からないが、ファーリの魔力は物凄いので、アポロン1に犠牲が出るかも知れない。

「忠告は感謝する」

西方共和国は、夜襲を警戒しながら、アポロン1を5機を寒村攻略に派遣することにした。


真一の処遇どうしよう?

この設定では解放されても死刑にされる可能性が高い・・・。

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