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ルゥも、いきたい

――朝。

みおの家。

「…………。」

制服に着替えて――

鞄を持ちます。

その後ろ。

「…………。」

じーっ。

ルゥが、みおを見ています。

「よし。」

「みお。」

「ん?」

「…………。」

みおの制服を――

じっ。

「がっこう?」

「うん。」

「今日も学校。」

「…………。」

「どうしたの?」

「…………。」

みおの袖を――

きゅっ。

「ルゥ?」

「…………。」

「夕方には帰ってくるから。」

なで。

なで。

「行ってくるね。」

「…………。」

みおが――

玄関へ。

その後ろを。

ぺた。

ぺた。

ルゥも――

ついてきます。

「…………?」

みおが振り返ります。

「ルゥ?」

「…………。」

靴を履こうとするみおの隣。

ぴたっ。

「ルゥも。」

「?」

「いく。」

「……学校に?」

こくん。

「いく。」

「…………。」

ルゥは――

当然のように、

みおの隣に立っています。

「ごめん。」

みおはしゃがんで――

目線を合わせます。

「学校には連れていけないんだ。」

「…………。」

「ルゥは、お留守番。」

「…………。」

みおの袖を――

きゅっ。

「ルゥ?」

「……や。」

「…………。」

「みお。」

「うん。」

「いっしょ。」

「…………。」

「いく。」

ぎゅっ。

「…………。」

みおは――

少し驚きます。

いつもなら。

少し寂しそうにしても、

ちゃんと見送ってくれる。

今日は――

離れません。

「どうしたの?」

「…………。」

ルゥは、

しばらく考えて。

「みお。」

「うん。」

「まいにち――」

小さく。

「がっこう。」

「うん。」

「平日はほとんど毎日だね。」

「…………。」

また――

ぎゅっ。

少しして。

「……なにする?」

「え?」

「がっこう。」

「ああ。」

みおは少し考えて――

「勉強したり。」

「べんきょう。」

「うん。」

「…………。」

よく分かっていない顔。

「それから――」

「友達と話したり。」

「…………。」

「ユイもいるよ。」

「…………。」

「知ってるでしょ?」

「……うん。」

それだけ。

「みお。」

「なに?」

「…………。」

また袖を――

きゅっ。

「いく。」

「…………。」

「学校に行ってみたいの?」

「…………。」

少し考えて。

ふるふる。

「違う?」

「…………。」

「みおと。」

「…………。」

「いっしょ。」

「…………。」

ようやく――

分かりました。

ルゥは――

学校に行きたいんじゃない。

学校が楽しそうだからでもない。

ただ。

毎朝――

大好きなみおが、

そこへ行ってしまうから。

「…………。」

みおは、

ルゥの頭を――

なで。

なで。

「そっか。」

「…………。」

「でもね。」

「…………。」

「やっぱり――」

少し困ったように笑って。

「一緒には行けないんだ。」

「…………。」

耳が――

しゅん。

「学校には――」

言いかけて。

ぴたっ。

「?」

「…………。」

精霊のことを知らない人も、

たくさんいる。

「ルゥが悪いわけじゃないよ。」

「…………。」

「ただ……。」

みおは、

言葉を探します。

「今は、ちょっと難しいの。」

「…………。」

ルゥには――

きっと。

全部は分からない。

「…………。」

それでも。

みおが困っていることだけは――

分かります。

「…………。」

ゆっくり――

袖から手を離します。

「ルゥ?」

「…………。」

こくん。

「みお。」

「うん。」

「…………。」

少し寂しそうに。

「いってらっしゃい。」

「…………。」

みおは――

ぎゅっ。

「!」

ルゥを、

抱きしめます。

「行ってきます。」

「…………。」

ぎゅっ。

――学校。

教室。

「おはよう、みお。」

「おはよう。」

「…………?」

「なに?」

「なんかあった?」

「なんで?」

「なんとなく。」

「…………。」

みおは机に――

ぺた。

「ルゥ?」

「…………。」

ぴたっ。

「なんで分かったの。」

「顔。」

「そんなに?」

「ちょっと。」

「…………。」

「どうしたの?」

「今朝ね。」

「うん。」

「ルゥが――」

みおは少し笑って。

「学校、一緒に行きたいって。」

「…………。」

ユイは――

少し考えて。

「そっか。」

「うん。」

「…………。」

「みおと一緒にいたかったんだ。」

「たぶん。」

「ルゥらしいね。」

「…………。」

「今まで――」

「?」

「普通に学校来てたけど。」

みおは、

窓の外を――

ちらっ。

「ルゥからしたら。」

「…………。」

「毎日、置いていかれてるんだよね。」

「…………。」

ユイは少し考えて。

「でも。」

「?」

「ルゥは知ってるんじゃない?」

「なにを?」

「みおが帰ってくること。」

「…………。」

――放課後。

チャイム。

「…………。」

みおは、

すっ。

いつもより――

少し早く鞄を持ちます。

「帰る?」

ユイが聞きます。

「うん。」

みおは、

にこっ。

「待ってるから。」

――帰宅。

がちゃ。

「ただいま――」

たたたたたっ!

「!」

「みお!」

ぎゅううっ♡

「わっ。」

「みお♡」

「ただいま。」

「おかえり♡」

ぎゅうっ。

少しして。

二人並んで――

座ります。

「ルゥ。」

「?」

「今日ね。」

「うん。」

「学校で――」

「…………。」

「ユイとお昼食べて。」

「…………。」

「授業で先生に当てられて。」

「…………。」

「答え間違えた。」

「…………。」

「そこは何か言ってよ。」

「…………。」

ルゥは――

みおの隣へ。

ぴとっ♡

「もっと。」

「え?」

「みおの――」

少し考えて。

「おはなし。」

「…………。」

みおは――

にこっ。

「うん。」

夜。

「それでね――」

「うん。」

「ユイが――」

「…………。」

みおの話を――

じっと聞きます。

学校には、

まだ一緒に行けない。

それでも――

みおが見たもの。

みおが聞いたもの。

みおが過ごした時間。

少しずつ。

ルゥにも――

分けていける。

「みお。」

「ん?」

「…………。」

ぴとっ♡

「いっしょ♡」

「…………。」

なで。

なで。

「うん。」

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