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いっしょなら

コヨリの膝には――

小さな擦り傷。

うーちゃんは、

ユイの手を――

きゅっ。

「コヨリ。」

「なに?」

「まってて。」

「うーちゃん、なおすから。」

「うん。」

ユイは、

うーちゃんの前にしゃがみます。

「じゃあ、一緒にやってみよっか。」

「うん♡」

「…………。」

「…………。」

二人で――

じーっ。

「…………。」

「…………。」

「?」

「?」

うーちゃん

「ユイ。」

「なに?」

「どうするの?」

「…………。」

「どうするんだろ。」

「?」

イズナ

「お姉ちゃん……。」

「だって前は、勝手に……。」

「じゃあ。」

「?」

「前に換装したとき、どうしてた?」

「どうしてたって……。」

ユイは――

思い出します。

傷ついたイズナ。

必死に手を伸ばした、

うーちゃん。

そして――

二人を包んだ、

青い光。

「…………。」

「カナタのときも。」

「ぼく?」

「何か特別なことした?」

「…………。」

「してない。」

「でしょ?」

「たぶん。」

「?」

「やり方じゃないんだよ。」

「やり方じゃない……。」

「うん。」

「二人が――」

「どうしたいか。」

「…………。」

うーちゃんを見る。

「うーちゃん。」

「?」

「コヨリを、どうしたい?」

「…………。」

うーちゃんは――

コヨリの膝を見ます。

小さな擦り傷。

「コヨリ。」

「なに?」

「いたい?」

「ちょっと。」

「…………。」

そーっと。

小さな手を、

傷へ伸ばします。

「いたいの……。」

「なくしたい。」

「…………。」

「うん。」

「?」

ユイも――

コヨリを見ます。

「私も。」

「…………。」

ユイが――

すっ。

手を差し出します。

「一緒に治そう。」

「…………。」

小さな手を――

きゅっ。

「うん♡」

その瞬間。

きらっ。

「……!」

青いペンダントが――

淡く光ります。

そして。

うーちゃんのパーカーも――

ぽう……。

「…………!」

ふわあっ――。

二人を、

優しい光が包みます。

「わぁ……!」

「光った。」

イズナは――

にこっ。

光の中。

「うーちゃん。」

「?」

「行こっか。」

「…………。」

にこっ♡

「うん。」

――換装。

〈モデル・うーちゃん〉

ふわっ――。

光が消えます。

「…………。」

自分の姿を見て――

「できた……。」

胸の奥から。

『できた♡』

「ふふっ。」

「ユイ!」

「ん?」

「できたね!」

「うん。」

「お姉ちゃん。」

「?」

「コヨリ。」

「…………。」

「あ。」

「忘れてた?」

「ごめん。」

ユイは――

コヨリの前に、

しゃがみます。

「うーちゃん。」

胸の奥から――

『うん。』

「やってみよう。」

『うん。』

そっと――

コヨリの膝へ。

ユイの手。

「…………。」

胸の奥から――

『…………。』

二人で、

傷を見つめます。

『なおれ……。』

「…………。」

『なおれ……。』

ユイも――

小さく。

「治って。」

その瞬間――

ぽう……。

淡い光が――

コヨリの膝を包みます。

「…………!」

「…………。」

すうっ――。

小さな擦り傷が、

ゆっくり――

消えていきます。

光が消えます。

「コヨリ。」

「?」

「どう?」

コヨリは――

膝を、

ぺた。

ぺた。

「…………。」

立ち上がって――

とん。

とん。

「痛くない。」

『…………!』

胸の奥で――

うーちゃんが、

ぱあっ♡

『なおった?』

「うん。」

『ほんと?』

「ほんと。」

『…………!』

『なおせた♡』

「うん。」

『うーちゃん、なおせた♡』

「治せたね。」

ふわっ――。

換装が解けます。

ぽすっ。

「…………。」

「おかえり。」

「ただいま♡」

次の瞬間――

ぺたぺたぺた!

「コヨリ!」

ぎゅっ♡

「わっ。」

「いたくない?」

「痛くない。」

「ほんと?」

「ほんと。」

「えへへ〜♡」

ぎゅううっ♡

「……くるしい。」

「なおす?」

「それは大丈夫。」

「まず離してあげようね。」

うーちゃんの力

「うーちゃん。」

「?」

「さっき――」

「うん。」

「一人では、できなかったよね。」

「…………。」

うーちゃんは――

自分の両手を見ます。

「…………。」

耳が――

少しだけ、

しゅん。

「うーちゃん……。」

「よわい?」

「……!」

「違うよ。」

「?」

イズナは――

うーちゃんの前に、

しゃがみます。

「弱いからじゃない。」

「…………。」

「そういう力なんだよ。」

「そういう……?」

「うん。」

イズナは――

コヨリを見ます。

「?」

ぽうっ。

小さな狐火。

「コヨリには――」

「コヨリの力。」

「カナタには――」

「ぼく?」

ぱっ!

外套を広げます。

「とぶ♡」

「…………!」

「カナタは本当に飛ぶの好きだね。」

「うん♡」

「それで――」

「?」

イズナは、

ユイとうーちゃんを見ます。

「うーちゃんには。」

「お姉ちゃんと一緒に――」

「痛いのを、なくせる力。」

「…………。」

コヨリの狐火。

カナタの翼。

そして――

自分の両手。

「ちがう?」

「うん。」

「みんな違う。」

「…………。」

「でも――」

にこっ。

「みんなに、できることがある。」

「…………。」

ぱあっ♡

「うん♡」

少しして。

「ユイ。」

「ん?」

「うーちゃん……。」

自分の胸を――

ぺた。

「ひとりじゃ、なおせない?」

「うん。」

「…………。」

少しだけ――

考えて。

「じゃあ。」

ぺた。

ぺた。

ユイのところへ。

きゅっ♡

その手を握ります。

「いっしょに、なおす♡」

「…………。」

にこっ。

「うん。」

「ぼくも!」

「?」

「いたくなったら、なおして♡」

「なおす♡」

「ケガはしないでね。」

「…………。」

少し考えて。

「じゃあ、いたくならない。」

「それが一番。」

「私も。」

「コヨリもケガしないで。」

「うん。」

「…………。」

ユイ。

カナタ。

イズナ。

コヨリ。

みんなを見て――

「えへへ♡」

一人では――

できないこともある。

でも。

大切な誰かと――

いっしょなら。

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