六十三話
ああ
「ぐああっ!」
兵士が一人シュウに殴り飛ばされる。コレで二十人目。マサカリが合流したとはいえコレは由々しき千強だった。
「大丈夫か!? おい! 負傷者を下げて休ませろ! 陣形を崩すな!!」
「了解!」
死んではいない、しかし二メートルを優に超える豪傑の拳を喰らった一兵卒の体は尋常ではないダメージを受けていた。開戦から二十分弱、テンドウ達約百名の少数部隊と元ウォータイプ海賊連合舎弟頭シュウとの戦闘は一進一退を繰り返すばかりで決着は容易につきはしなかった。これに焦るのはテンドウ、無駄に兵力と士気を消耗しては意味が無い。撤退も考えたが敵が逃がしてくれる保証は無し、しかし自分とマサカリで協力して撃破できるかも怪しかった。
「なんだあの巨人・・・! 強すぎだろう・・・!」
「おいテンドウ! 俺が突っ込む! その隙に兵を引け!」
「ちょ! 伯父上! ソレは無茶です! 体格も戦況も人数以外はこちらが断然不利です!」
「他に道は有るまい! いいか!? 後は頼んだぞ!」
そう言い残しマサカリは雄叫びと共にシュウに飛びかかり組み付き手四つの姿勢でシュウの動きを止める。革命軍の中では一番の巨漢のマサカリがシュウの前では子供のように見えた。
「くっ・・・! 確かに殿がいるが・・・、総員撤退! マサカリ将軍の殿を無駄にするな!」
「応!」
「伯父上! 御武運を!」
テンドウの号令に兵たちは答えて退こうとするが。
「そこまでだ!」
「え」
戦闘の間に囲まれたのか、知らぬ集団に革命軍は取り囲まれていた。もう駄目だ。この一言がテンドウの頭に浮かんだ。
「あ・・・」
シュウの声色に何処か喜びが含まれていたのを察するに恐らく向こうの味方だろう。
「兄ちゃん! なんでここに!」
「シュウ! その人たちは敵じゃない! 今すぐ戦闘を止めるんだ!」
撒けた負けた




