五十五話
ゆびいたい
「いやぁー強いって言うかしつこいなこいつら・・・」
「馬鹿っ駄弁ってないで集中しろ!」
「にしても武器対素手はキツイって・・・」
昼間に後輩を襲撃した過激組織スクレイパーズの襲撃の魔の手はオリオス国王女ナギサの滞在する屋敷まで伸びて来た。午後8時半、襲撃に気が付いたドグマを先陣に迎撃態勢を取っていた。緊急事態とあり武器を用意する間もなく戦い始めたのだ。70人対8人では苦戦も無理は無い。副隊長、戦闘員、戦闘員の3人で屋敷の南方にいた30人を相手に戦っているがフィアーが倒したので10人目、武器持ち相手でこの戦果なら人数差を差し引いても上々と言えるだろう。
「俺ら3人で倒すとしてもまだ40人くらいいるぞ、戦闘は専門外のチープは戦力外、スライルと
チタンは手負い、隊長とランの二人では心もとないな・・・」
「御姫様掻っ攫うなんて大それた連中だよ、十将のツァオ様だったら皆殺しにされるよ?」
「おっと、まぁ隊長一人で何とかなるだろ」
マッドドッグを振り降ろして来た敵の斬撃をよけてフール左ストレートが敵を沈める。ニシキ達の心配をよそに3人は戦闘を続行する。ニシキ、ラン、チープ、チタン、スライル、ナギサの安否は気になるがソレを確かめる術も助けに向かおうにも状況は先述通りである。今は目の前の敵を倒す事に集中するほかない。
屋敷の北方、寝室にナギサとスライル、チープを残してランとニシキが40人を相手に戦っていた。倒したのは13人、しかしランがトンファーでの殴打を受けて負傷し拳銃は弾切れ、実質ニシキ1人対27人の構図となっていた。
「あああああぁっ! ちまちま攻めてきやがって! うぜえ! あと弱いのもムカつくな!」
「隊長・・・ずれてます・・・」
「くたばりやがれ!」
敵が減ったのを良い事にスクレイパーズの兵士たちは先ほどよりも勢いを増して攻めて来る、前蹴り、肘打ち、右フックで3人は仕留めた。
「(敵も馬鹿じゃねえだろうからな、もう何人かは侵入しているだろう、フィアー達も交戦中であることも考えれば加勢は期待できねえ、手負いのランを抱えながらはキツイな・・・」
「野郎ども! 隊長を落とせばあとは脆いぞぉおおお!」
「かかれええ!」
「かかって来いやああ!」
ニシキの予想通り屋敷には既に10人ばかり侵入して来ていた。ナギサの要る寝室は一番奥まった場所にあるので見つかるまでには時間がかかる寝室から移動して敵の目を掻い潜って安全な場所へ逃げるか、このまま迎え撃つか、チタンとスライルは思案していた。
「チタン・・・窓から戦局を見るに劣勢だね・・・私の武器は乱戦には向かない・・・私足で纏いだ・・・」
「いや先輩希望を捨てないでください。俺やスライルさんがいますから」
『・・・』
「ッ・・・」
「・・・すいません、俺加勢してきます、多分ラン先輩が負傷している以上ニシキ隊長でもきつい筈です」
誰の返事も聞かずに考えるよりも先に体が動いた、部屋を出ると―――
「あ」
「っ、貴様昼間の!」
「おぅら!」
会話の追随を許さずハイキックを繰り出して兵士を倒した、まだまだこちらに向かって来る足音が聞こえる。ココが正念場である。
「ひぃ、ふぅ、みぃ・・・5人か」
陣風を抜刀して『爆跳(チタン妙名)』で3歩で距離を詰めて突撃する。1人を切り捨てて目に付いた2人目を仕留めようとしたら瞬間一閃が敵兵を貫いた。振り返ると。
「改良しておいたんだ、毒ガス噴射だけじゃなくて気体が凝縮されたら(略)ようするに毒を弾丸のように飛ばせるようにしたんだ」
「おお、かっこいいな」
文字通り総力戦が始まった。
ランちゃんとけっこんすりゅ




